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2021/04/26

試合レポート

■「NEC PRIDE」を体現した5トライも空しく、サントリーに敗れたグリーンロケッツ、2回戦敗退でシーズンを終了!

■試合ハイライト(J SPORTS YouTubeチャンネル)  

 



 シーズンの最後に問われたのはNECグリーンロケッツのプライドだった。
 プレーオフトーナメント2回戦は、サントリーサンゴリアスに試合開始から立て続けに3トライを奪われ、0―17と苦しい展開に。その間、グリーンロケッツがボールを手にして攻めた場面はほとんどなかった。
 しかし、22分、サントリー陣22メートルライン上のラインアウトという、この試合で初めて迎えたチャンスに、とっておきのサインプレーを繰り出す。
 HO川村慎が長いボールを放り、最後尾にNO8アセリ・マシヴォウが回り込む。ボールは飛び上がったマシヴォウの手を経てキャプテンのSH中嶋大希に。中嶋キャプテンは、「予め準備していたプレーだったので、何が何でもトライにしたい」と決意を込めて走り、そのままディフェンスを振り切った。
 遅まきながら、反撃の狼煙を上げたのだ。




 しかし、31分。
 自陣からアタックを仕掛けたサントリーに圧力をかけ、LOサム・ジェフリーズのタックルから目論み通りボールを奪ったあとでプレーが止まり、TMOが始まった。
 タックルに入ったジェフリーズの肩が、サントリーCTB中村亮土の頭部に入ったというのだ。
 TMOでコンタクトの瞬間が繰り返し映し出されて……判定の結果はレッドカード!
 その瞬間にグリーンロケッツはそこから約50分を14人で戦わなければならなくなった。
 けれども、そこで試合が終わるわけではない。
「立ち上がりに相手にポンポンとトライを獲られて気持ちが落ちかけた時間帯もありましたが、リスタート(キックオフ)に向かうとき、みんなが下を向かず、チャレンジする気持ちを持っていた。だから、サム(・ジェフリーズ)がレッドカードで退場となっても、残り時間を14人で戦おうと、気持ちを切り替えることができたのだと思います」と振り返るのは、中嶋キャプテンだ。
 そう、14人で戦う50分間に問われたのは今季スローガンに掲げた「NEC PRIDE」だった。

 ジェフリーズの退場以後、ハーフタイムを挟んで、グリーンロケッツはペナルティトライを含む6トライを奪われた。その意味では14人となった影響は免れなかった。
 しかし、5―55と引き離されて迎えた53分、ペナルティで久しぶりにアタックのチャンスを得ると、ゴール前のラインアウトからサントリーにモールでの勝負を挑む。
 チームとしてこだわりを持っているモールだが、1回戦では豊田自動織機シャトルズに逆に押し込まれ、この試合でもサントリーにトライを奪われている。
 それでも勝負をかけた。
 意地でもトライを――の意気込みだ。
 一度停滞したモールの最後尾で中嶋キャプテンがボールをキープする。
 バックスからも、CTB松浦康一を始め次々と選手が参加。モールから離れたところに立っているのはSOアレックス・グッドと、遠いサイドのWTB飯山竜太くらいだ。しかし、モールがもう一度停滞すればボールを動かさなければならず、モールに人数を割いた分、そこからのアタックは苦しいものになるはずだった。
 それでもモールは止まらなかった。



 じりじりと前進するにつれてモールが回転し、中嶋の前が薄くなる。そこを一気に押し込んでキャプテンがこの日2つ目のトライを挙げた。
 62分にも、ディフェンスに飛び出した中嶋が相手のパスをカットして反撃に転じ、サントリーの反則を誘うと、ふたたびゴール前のラインアウトに持ち込んだ。
 もう一度モールで勝負――と誰もが予想した場面で、川村に替わった佐藤耀が最前列に立ったFLパトリック・タファに素早くボールを投げ、タファも間髪入れずに佐藤にパスを返す。
 これでゴールライン目前まで進むと、そこからは我慢のアタックだ。
 タックルを繰り出してボールを奪おうとゴールラインに並んで待ち構えるサントリーの防御ラインに、FWが次々と挑みかかる。ラックからラックへ。重ねたフェイズが10となったところで、タファが防御を引き裂いてインゴールに飛び込み、トライを返した。
 大きく離れた点差は覆せそうにないが、意気消沈して下を向くことだけはしたくない――そんな気持ちが、試合の緊張感を保ち続けたのだ。
 19―76のスコアで残り時間が数分となっても、グリーンロケッツの意地は消えていなかった。
 78分には、ペナルティキックを中嶋が素早く仕掛けてチャンスを作り、WTBの位置に入った控えSHの山田啓介にパスを通して4トライ目を記録。



 そして圧巻は、次のリスタートからのアタックだった。
 まず自陣で佐藤が地を這うように前進。サントリーの防御を押し下げると右へ展開。
 グッドが短いパスを、松浦に代わった高平祐輝に通して高平がきれいにブレイク。右に山田が、左に中嶋がサポートにつき、高平はディフェンスを内側にかわしながら中嶋にパス。キャプテンがそのまま走り切ってハットトリックとなる3トライ目を記録。
 ファーストステージ7戦全敗と苦しんだシーズンの最後に「NEC PRIDE」を見せて、今季の全日程を終えた。

「この1週間、もう1人のキャプテン亀井(亮依)が試合に出られないなか、共同キャプテンの中嶋が『80分間、NEC PRIDEを胸に顔を上げて戦い続けるんだ!』と言い続けて、強いリーダーシップを発揮してくれました。そんな中嶋の本気が仲間に伝わって、今日の5トライに結びついたのだと思います」
 プレーオフ2回戦敗退という結果を苦く噛み締めた浅野良太ヘッドコーチ(HC)も、どれだけスコアが離れても、ひとたびボールを得るや諦めることなくアタックを続けたメンバーについて語るときだけは目を細めた。
 確かに、この試合が初先発となったマシヴォウは、「この1週間、秩父宮ラグビー場という最高の舞台でサントリーとプレーオフを戦えるのだから、もう失うものがないという気持ちで準備をしました。本当に特別な気持ちになれた試合でした」と振り返った通り、最初のトライをアシストしただけではなく、ボールを持てばサントリーの防御に挑み続けた。



 こちらも初先発だった松浦康一も、「なんとかいいプレーを見せよう、泥臭いプレーに徹しようと」、高平と交代するまで攻守に身体を張り続けた。
 7連敗の泥沼からプレーオフで勝利を挙げてつかんだ2回戦の舞台に、誰もが強い思いを抱いていたのだ。
 しかし――それでも1勝8敗でシーズンが終わった事実は覆らない。
 浅野HCが言う。
「先週の1回戦に勝って、チームはガラリと変わりました。勝つことがどれだけチームを成長させるか痛感した1週間でした。でも、それをファーストステージの段階から実現できなかった。選手たちの成長に勝利という形で報いることができなかった。それを非常に残念に思います」
 来季は、新しいリーグが編成されることになるが、現時点では、グリーンロケッツが上位のファーストディビジョンに入るのか、それとも1つ下のセカンドディビジョンからのスタートになるのか決まっていない。それでも、どちらのディビジョンでのスタートになるにしても、昨季から今季にかけて続いた黒星の歴史を断ち切らなければならないことだけは確かだ。
 ケガの影響で、自ら「ベストの状態でなければ試合に出る資格はない」と決断して、先週に続いてウォーターボーイの役割を引き受けた亀井亮依キャプテンが言う。
「今季は豊田自動織機に勝ってプレーオフの2回戦には進みましたが、ファーストステージは全敗で、昨季からトップリーグのチームに勝てていません。その結果を1人ひとりがどう受け止めるのか。クラブとしてもメンバーとしても負けたくて負けているわけではありませんが、こういう結果に終わったのは事実なので、来シーズンは覚悟を決めて臨む必要がある。選手だけではなく、スタフ、リーダー陣を含めて危機感を持って臨まないといけないと思います」
 2003年から続いたトップリーグの歴史は、今季でひとまず区切りを迎える。
 それよりも一足早くシーズンを終えたグリーンロケッツは、これからの期間を来季に向けた「リスタート」への準備にあてなければならない。
 来季を勝利で成長を確認するシーズンへと変えることができるのか――その覚悟に「NEC PRIDE」の真価が問われている。








浅野良太HC


サントリーには敗れましたが、NECとしての「らしさ」「こだわり」を感じさせるところはあったゲームでした。
今季は、開幕がずれ込むような、先が見えないシーズンでした。選手たちは、自分自身のことだけではなく、家族の健康を筆頭に、グラウンド外のさまざまな不安要素を感じながらプレーしていたと思います。それにもかかわらず、そうしたストレスを吹き飛ばすようにプレーしてくれた。選手たちが掲げた「NEC PRIDE」というスローガンにつなげようとしていました。その部分では、非常に成長したと思います。
先週のプレーオフトーナメント1回戦は1点差で勝ちましたが、その勝利でもチームはガラリと変わりました。勝つことがどれだけチームを成長させるか、痛感させられました。
特に、共同キャプテンの中嶋大希が、「もう言葉なんかいらない。80分間、「NEC PRIDE」を胸に、顔を上げて戦い続けるんだ!」と、この1週間言い続けて、強い言葉でリーダーシップを発揮してくれた。そんな中嶋の本気が伝わって、今日の5トライに結びついたのだと思います。
選手たちは毎試合必死に戦ったと思いますし、今日のゲームでも成長することができたでしょう。ただ、それをファーストステージの段階から実現できなかったのが、非常に残念でした。
来季はいかに結果を出すか。それが成功のための課題になると思います。


中嶋大希


サントリー戦は、自分たちにはもう失うものはないから、試合中は常にチャレンジし続けようと準備の段階から言い続けてきました。
これまで3年間、キャプテンとしてチームの支柱になっていた亀井(亮依)さんが試合に出られないことで、プレッシャーは少なからずありましたが、とにかく相手に対してどういうメンタルで臨むのか、それをみんなに伝えようと心がけたのです。
今季は、目標に「トップ4」を掲げながら、思ったような結果を出せず、不本意なシーズンになりました。でも、そのなかで、試合に出られないメンバーが練習からいい準備ができるように頑張ってくれました。それが、負けが続くなかでも「NEC PRIDE」を失わずに、豊田自動織機戦の勝利につながったのだと思います。
また、雨のなかの試合に多くのファンにお越しいただいて、本当に励みになりました。勝てないなかでも応援してくださるファンの存在を、ありがたいと感じたシーズンでした。
来季は、チームも自分も大きく変わる覚悟を持って、絶対に結果を出すシーズンにしたいと思っています。引き続き、応援をよろしくお願いします!


亀井亮依


今日の試合には出たかったのですが、自分がベストの状態ではなかったので、出場する資格がないと決断しました。豊田自動織機戦で、代わりに出場してくれたメンバーがいいパフォーマンスをしていたこともあって、チームにとってのベストを考えました。
今日はサントリーの出来がすごく良かったのですが、終盤にトライを重ねることができたのは、攻めようという姿勢が生きたからだと思います。でも、そういうマインドセットを、一貫してどうゲームをマネジメントするのか。これが来季の課題になると思います。
今季は、昨季よりもスコアすることができるようになりましたが、結果的には、豊田自動織機には勝ってプレーオフの2回戦に進んだもののファーストステージは全敗で、昨季からトップリーグのチームには勝てていません。その結果を1人ひとりがどう受け止めるか。
来季はチームとして大きく変わる1年になると思うので、覚悟を決めて臨む必要がある。選手だけではなく、スタフ、リーダー陣を含めて危機感を持って臨まないといけないと思います。
 
(取材・文:永田洋光)

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RESULT

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プレーオフトーナメント

NEC
グリーンロケッツ

vs

サントリーサンゴリアス

NECグリーンロケッツ

サントリー

31 5 - 36 76
26 40
T G PG DG PT   T G PG DG PT
1 0 0 0 0 6 3 0 0 0
4 3 0 0 0 5 4 1
5 3 0 0 0 11 7 0 0 1

2021/04/24 14:30

東京・秩父宮ラグビー場

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