NEC Green Rockets

NEC orchestrating a brighter world

NEC SPORTS.NET

 
 

NEWSNECグリーンロケッツ ニュース

カテゴリー

月別アーカイブ

2021/03/22

試合レポート

■暴風雨に今季の「武器」を封印されて、グリーンロケッツ、日野に敗れる!

■試合ハイライト(J SPORTS YouTubeチャンネル)  

 
今季、NECグリーンロケッツは、開幕節から毎試合いくつもトライを奪ってきた。
 神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦は6トライ。NTTドコモレッドハリケーンズ戦は3トライ。ヤマハ発動機ジュビロ戦も5トライだ。
 しかも、トライの多くは、SH中嶋大希―SOアレックス・グッドのハーフ団が起点となってボールを動かし、フィールドを広く使って挙げたもの。その攻撃力が今季の武器となっていた。
 しかし、日野レッドドルフィンズ戦は、会場が柏の葉スタジアムから秩父宮ラグビー場に変わっても、天候は、中止となった先週とほぼ同じ。またもや暴風雨が吹き荒れた。違ったのは、雷鳴がとどろかなかったことだけだ。そして、落雷の恐れがないために試合が行なわれた。つまり、今季の強みである、長短のパスを駆使してスペースを攻めるラグビーにはまったく適さない最悪のコンディションで、日野戦を戦うことになったのである。



 頼みは、イングランド代表として21キャップという経歴を誇るグッドの存在。
 彼の母国イングランドでは、激しい雨や風のなかでの試合も多く、こうしたコンディションへの対処では経験値が豊富なはずだった。
 しかし、そのグッドにしても、この日は、これまで経験したことがないほどのひどさだった。
 こう言うのだ。
「母国でも確かに雨や風が強いなかで試合をした経験はあるけれども、ここまでノンストップで80分間、雨や風が続くことは滅多にありません。難しいゲームでした……」
 その結果、グリーンロケッツは、武器のバックスを使うことができなかった。
 グッドが言う。
「バックスでボールを動かすのが、とても難しかった。雨だけではなく、風もあったから、パスを2つ、3つとつなげていくことがほとんど不可能でした。だから、キックを蹴って、その後をFWの頑張りに託すしかなかった」
 それを織り込んだように、日野は、密集周辺に人を集めて防御を固めた。
 スタンドから見ると、たとえば前半の20分過ぎ、自陣ゴール前に釘付けにされた場面でも、グリーンロケッツは左WTBの宮島裕之が広いスペースに1人立っていて、ほとんどフリーの状態。そこまでボールを運べば、ビッグチャンスが生まれそうだった。
 だが、風下に立っていたこともあって長いキックパスを蹴ることもできず、パスでボールを運ぶこともできなかった。
「確かに日野のディフェンスには、外側に大きなスペースがありました。でも、そこまでボールを運ぶことがとても難しい。日野は激しく前に出るディフェンスをするので、パスを回す途中でタックルされて地域を戻されたり、ミスをするリスクがありました。だからリスクを避けて、キックで日野陣内に入ってゲームを進めようとしたのです」



 それでも前半の40分間は、防御がしっかり機能していた。
 38分に、日野に塊でインゴールになだれ込まれた場面も、TMO判定には持ち込まれたが、しつこくボールに働きかけてノックオンを誘い、トライを防いでいる。
「風下の前半は我慢」というゲームプランが上手くいっていたのだ。
 亀井亮依キャプテンが言う。
「コンディションから考えて、こういうゲームになることは覚悟していました。前半は風下だったので、僕らとしては我慢して相手に得点を与えないプランで臨みました。そういう意味では、無得点に抑えられたので、前半は良かったと思います。ただ……」
 問題は、風上に立って反撃――と意気込んだ後半の立ち上がりだった。
 グリーンロケッツは、45分にNO8ジョージ・リサレが、日野の持ち込んだボールをラックで奪いとり、グッドが反対サイドの右タッチライン目がけて長いキックを蹴る。ボールは、ガラ空きの日野バックスの背後に転がってタッチ……となるはずだったが、風に乗って予想以上に伸び、そのままタッチラインを割ってしまった。
 ラックができた位置が自陣22メートルラインの外側で、グッドは中嶋からのパスを22メートルライン内で受けてボールを蹴った。つまり、この場合はダイレクトタッチとなって、蹴った地点まで戻されて相手ボールのラインアウトとなる。ミスと言えばミスなのだが、思っていた以上の強い風が、不必要なところまで飛距離を伸ばしてしまったのだ。
 日野は、このラインアウトから攻め、グリーンロケッツも良く守ったが反則を犯し、もう一度ゴール前でラインアウト勝負を挑まれた。
 このときも、モールをなんとか押しとどめ、密集に持ち込んでトライを防いだが、全員がFW周辺に注意を奪われていた。その間に日野は、LOリアキ・モリがすっと左に開き、ラックから離れたところでパスを受けて、そのままインゴールに飛び込んだ。
 逆風のなかでコンバージョンも決められて、0―7とリードを追う展開になった。



 亀井キャプテンは、後半をこう振り返る。
「後半は、早い段階でスコアされてしまい、さらに風上なのに、アタックする時間が少なかった。(トライされた場面だけではなく)相手のラインアウトからのモールをつぶしきれず、自陣に食い込まれる時間帯が多かったですし、キックの精度も良くなかった。もう少し積極的にアタックするマインドを持っても良かったのですが、地域を上手く獲得できなかった」
 結果として、後半もなかなか日野のゴールラインまで攻め込むことができず、得点の匂いがしない時間が長く続いた。
 しかし、70分を過ぎてから、ようやくアタックチャンスが巡ってくる。
 日野陣内に深く攻め込んだラインアウトのボールを、途中から入ったLO廣澤拓に合わせて後方でモールを組む。ラインアウトの前方を警戒していた日野は反応が遅れ、モールが一気に前進する。さらに後方でボールをキープしていた、こちらも途中出場のHO川村慎が、バラけかけた日野防御のギャップを一気に突破。さらにゴール前へと迫る。そこから左へFWで2フェイズ攻め、最後は左にグッド、途中出場のWTBアンドリュー・ケラウェー、FB吉廣広征と3人が並ぶ決定的な状況を作り出した。



 そして、中嶋からのパスを受けたグッドが、ノーマークのケラウェーに放ったパスを、日野WTBチャンス・ペニーが一か八かで飛び出してはたき落とす。
 ペニーのこのプレーが故意ノックオンと判定され、さらにTMOでこの反則がなければトライになったかどうかが確認されて、グリーンロケッツにペナルティトライが与えられた。
 残り5分で、ようやく同点に追いついたのだ。
 ところが、リスタートのキックを受け、日野から反則を誘ってハーフウェイラインを越えたところでマイボールのラインアウトにしたまでは良かったが、そこでボールを奪われて日野に反撃される。
 日野はリスクを冒さずに細かくフェイズを重ねて攻め続けた。
 80分が過ぎたところで――「僕がジャッカルできるチャンスが一度あった」と、亀井キャプテンが、孤立した日野の選手に完全に両足で立った状態で働きかけ、しっかりとボールに手をかけた。しかし、サポートが遅れ、日野はLOディネスバラン・クリシュナンがキャプテンの上半身をがっちりつかんで、はがしにかかる。
 このとき、ラックの左側にいたグリーンロケッツの選手が倒れ込んで、日野にペナルティが与えられた。
 万事休す!
 日野は当然のようにPGを選択。決まれば勝利。たとえ決まらなくとも、負けはない。
 そして、勝利が手からすり抜けた悔しさに、天を仰いだグリーンロケッツの上を通過したボールは、ポストの中央を割って、勝負が決まった。



「誰にとっても白星が欲しかった試合でしたが、難しいゲームでした」
 そう声を絞り出したのは、浅野良太ヘッドコーチ(HC)だ。
 敗因は、グッドのキック以外にもいくつかあったダイレクトタッチなどのキックミスや、試合の序盤は優勢に進めていたラインアウトで相手に対応され、途中から獲得率が低くなったことなど、いくつかは明確に挙げられる。しかし、それ以上に、誰もが望んでいる勝利を手にすることができなかった悔しさが、HCの口を重くするのだ。
 それでも、次節のパナソニック ワイルドナイツ戦(28日 秩父宮ラグビー場 13時キックオフ)を皮切りに、ファーストステージはまだ3試合残っている。そして、そこで勝利を重ねて順位を上げなければ、プレーオフトーナメントが1回戦からの出場となって、毎週試合が続くことになる。
 だから、こう言って前を向くのだ。
「パナソニックは、パスとキックのバランスが良いチームで1つひとつのプレーの質が高い。それに対抗するためには、こちらも、いかに自分たちがやるべきことの質を高められるか。質の勝負になると思います」
 グッドはもっとシンプルに、勝つための課題を挙げた。
「まずディフェンス。確かに僕たちは、第3節まで毎試合いいトライを獲ってきました。でも、いくら良いトライを獲っても、相手にそれを上回るトライを獲られては勝てません。シンプルにディフェンス――それが、勝つための課題です」
 次節の焦点は、部類の攻撃力を誇り、現在、ホワイトカンファレンスの首位を走るパナソニックをいかに封じ込めて、彼らを上回るトライを記録することができるかどうか、だ。
 グリーンロケッツの正念場は、まだまだ続く。








浅野良太HC


みんな、白星が欲しかったところでしたが、難しいゲームでした。
前半は、最初の20分間は良かったと思います。相手が投入するラインアウトにもよくプレッシャーをかけていたし、相手陣で戦うことができた。ボール保持率は低かったけれども、地域をしっかり獲得できていました。
ただ、前半の後半から、相手がラインアウトを獲得できるようになると、モールを中心に前に出られた。日野にモールから前進を許した点は、ハーフタイムに修正ポイントとして指示しました。もう一度相手と競り合い、競り合ったあとの対応をどうするか、という点も含めて。
後半は風上になることもあって、地域を前進させて相手陣内に入り、相手を反則ができない状況に追い込むよう、プレッシャーをかけることを、選手たちと確認しました。
誤算はキックの精度でした。ダイレクトタッチになった場面が何度かあって、その結果として地域を自陣に戻された。それから、モールへの対応を試合中に修正できなかった。しかも、前半は良かったマイボールのラインアウトが、後半は日野に対応されて獲得率が下がってしまった。この辺りが誤算でしたね。
次節のパナソニックワイルドナイツ戦は、相手がバランスの良いチームで1つひとつのプレーの質が高い。そういう相手と、こちらもいかに自分たちがやるべきことの質を高められるか。まず質の勝負になると思います。
それから、パナソニックは規律が高く、反則の少ないチームです。そんなパナソニックに対して、いかに反則をしないでプレーし続けられるか。これも大きなカギを握っています。
つまり、精度と規律がカギを握る。
それから、ボール争奪戦で、パナソニックは非常に見極めが上手い。ラックでファイトしても相手にボールが出ると思えば、ファイトせずに次に備えます。一方、グリーンロケッツは、今日は雨というコンディションでファイトすることに人数を割いた結果、ターンオーバーしてボールを奪う場面もありましたが、反則もとられた。こうした見極めをどうするか、もう一度検証したい。いかに適正な人数でブレイクダウンに臨むか。それを徹底する必要があるでしょう。
とにかく今はもう「やるしかない」という心境です。


亀井亮依キャプテン


風と雨で、こういうゲームになることは覚悟していました。
全体的にゲームプランは良かったのですが、後半、早い段階でスコアされて、さらに風上なのに、アタックする時間が少なかった。相手のラインアウトからのモールをつぶしきれず、自陣に食い込まれる時間帯が多かった。そこがFWの課題でした。もう少しアタックするマインドを持っても良かったのですが、消極的な面が出た。キックの精度も良くなかったし、地域を獲得することが上手くいきませんでした。
昨季は、キャプテンとして勝てなかったことを全部自分で背負い込んだところがありました。その分、メンタル的にも苦しかったのですが、今季は、僕1人では試合に勝てないので、そこまで自分を追い詰めないようにしています。
ラグビーはチームスポーツなので、厳しい状況のなかで、いかにみんなの力を結集して現状を打破していくか。確かに考える時間も多いのですが、それが自分の仕事だと思っています。
応援してくださる方がいる限り、僕らが下を向くことはできないし、勝つことでチームの士気は高まるでしょう。とにかく勝利に向けて集中することが、この3試合を戦う上で、一番必要なことだと思います。シーズンも中盤を過ぎた今は、細かい技術的な部分ももちろん大切ですが、それよりもマインド、気持ちの部分が一番大きい。
勝つためには、試合のなかの1つひとつの局面で、それぞれに果たす役割があります。その役割をいかに80分間継続して実行していけるか。それは、リーダーだけの問題ではないし、ゲームをコントロールするハーフ団だけの問題でもありません。全員が、チームとして自分たちがやろうとしていることを、「セイムページ」を見ながら実行し続けられるかどうか、ですね。
幸い、今はそれほどケガ人がいるわけではないので、今の戦力でいかに最高のパフォーマンスを発揮するかが、大切なポイントだと思います。
残り3試合は、とにかくそこで勝つしかないですね。

 
(取材・文:永田洋光)
 

NEWS一覧

RESULT

最新の試合結果

プレーオフトーナメント

NEC
グリーンロケッツ

vs

サントリーサンゴリアス

NECグリーンロケッツ

サントリー

31 5 - 36 76
26 40
T G PG DG PT   T G PG DG PT
1 0 0 0 0 6 3 0 0 0
4 3 0 0 0 5 4 1
5 3 0 0 0 11 7 0 0 1

2021/04/24 14:30

東京・秩父宮ラグビー場

試合詳細