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2021/03/15

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■中止となった日野レッドドルフィンズ戦は21日12時10分秩父宮ラグビー場で代替開催決定!

 キックオフ予定時刻の14時を1時間以上経過した15時10分過ぎ、まるで台風に直撃されたかのような暴風雨のさなか、試合中止を告げるアナウンスが流れた。
 屋根に覆われたスタンドに陣取っていても身体に容赦なく降り注ぐ雨粒と、体温を奪う強風に耐えて、キックオフを待っていた観客は、落胆のどよめきを残して席を立つ。出口へと続くのは、雨具に身を包んで下を向き、中止と決まった以上は足早にスタンドを去って、家路につこうとする人の群れだ。



 そんな動きが一瞬、止まった。
 スタンド下から、ある者はジャージー姿で、ある者はウォーミングアップスーツで、NECグリーンロケッツの選手たちがピッチに飛び出して、立ち去るファンに向かって大きく手を振り、雨音に負けないような大声で感謝の言葉を叫び出したのだ。
 スタンドの通路を歩いていた観客も立ち止まり、選手たちの姿に視線を送る。
 手を振り返すファンもいた。



 ルーキーながら、これまで全試合にスタメンで出場してきた山極大貴は、スタンド下から飛び出した気持ちをこう振り返る。
「雨のなか長い間スタンドで待っていた方が多かったし、濡れて寒いのではと思っていたので、僕も感謝の気持ちを込めて外に出ました」
 提案したのは、吉廣広征だった。
 吉廣が言う。
「こんな悪天候なのに、今季はコロナ対策で、スタンドのファンは席の移動ができません。以前なら、雨が降ってくると、屋根があるところに逃げて固まることもできたのですが、今季は密になってはいけないから、それもできない。しかも、柏の葉スタジアムは、最寄り駅まで距離があるので、みなさんの帰りを考えたら、本当に大変だろうと思いました。だから、少しでも感謝の気持ちを伝えようと、外に出ることを提案したのです」



 どんな悪天候でもゲームを行なうとされているラグビーで試合が中止となった背景には、キックオフの直前に鳴り響いた雷鳴が関係している。落雷事故を防ぐための中止なのだ。
 だから、吉廣の提案は、主催者である日本ラグビー協会や運営の主体となる千葉県ラグビー協会に確認をとってから、ということになった。もし、そのとき雷鳴が響いたら、選手たちはまたスタンド下に戻らなければならなかった。幸いなことに、このときは暴風雨だけで、おかげで選手たちはファンを見送ることができたのだ。
 選手たちが、中止の決定にいても立ってもいられなくなったのには理由がある。
 昨季も柏の葉でのホームゲームは新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止となり、今季も、開幕延期にともなう日程変更で、予定された2試合がこの日野レッドドルフィンズ戦だけとなった。だからこそ、何とかこの試合で今季の初勝利をファンに捧げたいと選手たちは意気込んでいた。
 それが中止となったことが、選手たちの気持ちを突き動かしたのだ。
 亀井亮依キャプテンが言う。
「昨季もホームゲームが中止となったので、この大事なホームゲームに何がなんでも勝つつもりで準備してきました。僕自身は、試合前に雷が聞こえなかったので、試合が行なわれるものだとずっと思っていて、キックオフを待つ間も動揺はなかったし、いつ試合が始まってもいいように準備をしていましたが、こういう結果になって、大変残念です……」



 それでも、3月21日に秩父宮ラグビー場で代替開催される日野戦(12時10分キックオフ)で勝利を挙げることこそが、本当の意味でファンへの感謝につながると、前向きに考えている。
 こう言うのだ。
「今季のホームゲームはなくなりましたが、これから勝ち上がっていけば、来季もホームゲームを多く組むことができるでしょう。そのためにはまず、延期された21日の日野戦に勝つこと。それが、ファンのみなさんに対する感謝になると思います」
 そう。
 来年からスタートの新リーグはホスト&ビジター方式で行なわれる予定で、トップのディビジョン1(12チーム)に入れば、ホームでの試合が格段に増える。今季の勝利は、そのための大切な一歩でもあるのだ。
 ちなみにグリーンロケッツは、亀井キャプテンがトップリーグでデビューを飾った17年8月19日の東芝ブレイブルーパス戦(@秩父宮)でも、前半終了直前から夕立に襲われ、鳴り響く雷でハーフタイムを含めて1時間以上の試合中断を経験している。ルーキーの山極は「雷が怖かった」と告白したが、他の選手が平静を保っていたのは、そういう経験もあったからだった。
 なかでも、土井貴弘は、ウォーミングアップのときから「早く試合をやらせてくれ!」と念じていた。
「この日のキックオフに合わせて準備をしてきたので、気持ちが入っていました。スクラムでも『パンチ・ファースト』を合い言葉に、最初のスクラムからしっかり勝負するつもりでいたのです。グラウンドの状態も、アップのときにスクラムを組んだ感触では、芝生の表面には水が溜まっていましたが、下はぬかるんでいなかった。とてもいい環境でした」



 強く試合をやりたいと念じたのは、ホームゲームのアドバンテージを身にしみて感じているからでもある。
 土井が言葉を継ぐ。
「やっぱりホームゲームは、スタンドに緑のジャージーや服が多く見られて、見ているだけで気持ちが昂ぶります。すごく応援されているように感じるのです。だからこそ、勝利を届けられるように、しっかり意識して、いつにもまして、より一層勝つつもりで気合いを込めて臨みます。再試合もホームでやらせてくれれば、と思っていたのですが……」
 残念ながら、会場は秩父宮に変わったが、それでもグリーンロケッツの士気は衰えない。
 吉廣がこう決意を語る。
「雨のなか来ていただいたファンに挨拶したときに、手を振り返してくれた方もたくさんいらっしゃいました。それでまたみなさんとの距離が縮まったように思います。だからこそ、来週は、そうしたみなさんに勝利を届けたい」
 亀井キャプテンも言う。
「1つ勝てばチームは変わる。そのためには、ミスからの失点を防ぐこと。つまり、いかにボールをキープして、全員がそれぞれの役割をきちんと果たすか。そういう意識を来週までに高めたい」
 グリーンロケッツが、この前トップリーグのレギュラーシーズンで勝利を挙げたのは、18年10月13日に柏の葉スタジアムで行なわれた日野戦(38―12)だ。
それ以来の勝利を目指す因縁の再戦に、選手たちは、ホームゲーム以上の声援を待っている。

取材・文 永田洋光





 

 

 

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NEC
グリーンロケッツ

vs

サントリーサンゴリアス

NECグリーンロケッツ

サントリー

31 5 - 36 76
26 40
T G PG DG PT   T G PG DG PT
1 0 0 0 0 6 3 0 0 0
4 3 0 0 0 5 4 1
5 3 0 0 0 11 7 0 0 1

2021/04/24 14:30

東京・秩父宮ラグビー場

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