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2021/02/22

試合レポート

■グリーンロケッツ、神戸製鋼に“先制パンチ”を叩き込むも二の矢を継げず、9点差で敗れる!

「パンチ・ファースト」
 開幕戦までの1週間、NECグリーンロケッツは、この言葉を対神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦のキーワードにして準備を重ねてきた。
「先にパンチを叩き込め!」
 それが浅野良太ヘッドコーチ(HC)のメッセージだ。



 果たして試合開始のキックオフ。
 SOアレックス・グッドが深く蹴り込んだボールを追走したWTB飯山竜太とCTBベンハード・ヤンセ・ヴァン・レンスバーグ(以下ベンハード)が2人がかりのタックルで、神戸製鋼のアタックの起点を押し下げた。さらにディフェンスで前に出て、圧力をかける。
 神戸製鋼は、それでもSOヘイデン・パーカーがボールを展開してアタックを仕掛ける。
 鋭く反応したのは、CTBマリティノ・ネマニとWTB後藤輝也だった。
 ネマニは、パスを受けようとしていた神戸製鋼FB山中亮平に猛然と襲いかかり、ボールがインゴールにこぼれる。そこに、後藤がスピードに乗ったまま飛び込んで、ボールを押さえた。
 トライか――?
 塩崎公寿レフェリーがアシスタントレフェリーに確認。そして、トライが認められた。
 キックオフから28秒。
 21年度の幕開けを彩る見事な先制劇だった。



「これまで試合の入りが良くないことが課題になっていましたが、この1週間、『パンチ・ファースト』というキーワードで準備を進めた成果が出たトライでした」と振り返るのは、亀井亮依キャプテンだ。
 浅野HCも、「このトライで選手たちは最高の自信を得られたのではないか」と評価した。その上で、「でも……」と付け加える。
「最終的には“いい試合”で終わってしまった。いい試合ではなく、勝利が目的だったのですが」
 要因は、先制トライに続けて2発目のパンチをたたき込めなかったところにあった。
 7分、HO川村慎、LO山極大貴、亀井キャプテンの3人がかりのタックルでピンチを防ぎ、神戸製鋼陣深く入ったラインアウト。グリーンロケッツは、並んだFWの後方に長いボールを投げ入れ、そこにNO8ジャック・ラムが走り込む。ラムはスピードに乗ったまま一気にゴール前へと迫り、さらにLOサム・ジェフリーズが続く。
 しかし――トライまであと少しというこのラックでボールを奪われてしまったのだ。
 チャンスを逃したツケは大きく、グリーンロケッツはそこから3トライを立て続けに奪われて、7―21と14点差を追う展開に追い込まれた。



 浅野HCが言う。
「アタックのブレイクダウン(タックルされた後のボール争奪戦)については、課題が残りました。ゴール前に攻め込んであと少しでトライという状況を作りながら、反則を犯したり、相手にボールを奪われている。毎試合、ここの精度を高くしなければ、自分たちの意図通りにボールを動かせない。必ず改善しなければならない課題です」
 それでも、ズルズルと失点を重ねずに、反撃に転じるのが今季のグリーンロケッツだ。
 反撃の狼煙を上げたのは、14点差とされた後のリスタート直後。
 グッドのキックが直接タッチラインを割ってセンタースクラムに戻され、そこで上手く組めずに神戸製鋼にフリーキックを与えてしまう。神戸製鋼はボールを小さく蹴って、NO8ナエアタルイを走らせる。ここでさらにトライを重ねてグリーンロケッツの息の根を止めようというのだ。
 しかし、この日FLとして先発に起用された大石力也が、ナエアタの突進を真正面から受け止めて鋭くタックルを見舞い、ノックオンを誘った。



 大石は男子7人制ラグビー(セブンズ)日本代表候補として、ここ数シーズンはチームを離れて東京オリンピックを目指していた。しかし、コロナ禍でオリンピックが延期になったことで、後藤とともにチームに戻り、15人制でのプレーを決意。同じグラウンド同じボールを使いながら、求められる資質がまったく違う15人制に向けて身体を作り直してきた。その成果の一端が出たのだ。
 浅野HCに大石起用の意図を訊ねると、こんな答えが返ってきた。
「起用の意図? ずっと使いたかったのに、セブンズに行っていて使えなかった。それだけです(笑)。大石の良さは、セブンズでも通用するスピードと、ラインアウトを含めてスキルが高いこと。特にバックスと連携して外側を攻めるときには、相手に大きな脅威を与えられる。性格も、すごく負けず嫌いだし、熱を表に出せる。しかも、タフ。今日は非常にいいパフォーマンスを出してくれました」
 グリーンロケッツは、このスクラムから右へ、ラム→SH中嶋大希→FB吉廣広征とつなぐ「ハチキュウ」のプレーを仕掛ける。そして、吉廣がタックルを振り切って抜け出し、冷静にラムにつなぐ。さらにラックから左へ展開。セオリー通りに、1人ひとりがディフェンダーを引きつけ、相手の動きを止めてからパスを送り、最後はベンハードが左隅に飛び込んだ。グッドのコンバージョンは外れたが、差は9点に縮まった。
 大石のタックルが、トライを生む起点となったのである。



 直後に、神戸製鋼にトライを追加されたが、26分には吉廣のカウンターアタックからチャンスを作り、右へ展開。今度は大石が、セブンズで磨いたランニングスキルを見せてゴール前に迫る。パスを受けたところで右の後藤に視線を向け、つられて後藤へと注意をそらした神戸製鋼FB山中の内側をきれいに抜き去ったのだ。
 大石が言う。
「まだ完全に15人制に身体がフィットしているとは思っていませんが、試合のなかでだんだん慣れてきました。僕は体重が軽いので、コンタクトの面ではもう少しフィジカルを鍛える必要がありますが、アタックではセブンズで培ったスピードやスキルを上手く出せたと思っています」
 このアタックは、またもやゴール前で反則を犯してトライに結びつかなかったが、続く神戸製鋼ボールのラインアウトを奪うと攻撃を継続。ふたたびゴールラインまで迫る。その過程で、神戸製鋼LOブロディ・レタリックが危険なタックルでイエローカードとなり、10分間の一時的退場に。
 人数の上で優位に立ったグリーンロケッツは、ラインアウトから密集を5つ重ねて中嶋がトライを奪って追撃。終了間際の40分にも、飯山がベンハードのパスを足で絶妙にトラップ。ノックオンと思い込んだ神戸製鋼防御の隙をついて、インゴールまで駆け抜けてトライに仕上げた。
 いずれもグッドがコンバージョンを決めて、スコアは26―28に。
 僅差でくらいついて、ハーフタイムを迎えたのだった。



 しかし、後半は、グリーンロケッツの防御に対応してきた神戸製鋼がトライを重ねる展開となった。亀井キャプテンがこう分析する。
「確かに自分たちがやろうとしているディフェンスができた部分もありましたが、それでも7トライを獲られている。それが現実であって、相手が対応してアタックを修正してきたときに、こちらが対応できなかった。そこはしっかり修正しないといけないと思います」
 しかし、スコアが26―47と大きく開いた終盤に、後半は無得点だったグリーンロケッツが意地の反撃に出た。まさに「NEC PRIDE」をかけた反撃だった。
 まず78分。
 飯山が神戸製鋼のゴール前で相手のパスをインターセプト。すぐに倒されたが、そこから9フェイズを重ねて防御を揺さぶり、最後は亀井キャプテンが両足をつりながら、公式戦初トライを記録。グッドが右端からの難しいコンバージョンを決めて、33―47と追い上げた。
 さらに80分には、神戸製鋼WTB山下楽平を倒して反則を誘い、ラインアウトからラストアタック。「まだ時間はあるし、トライをしてキックが成功すれば1ポイントが入る」と、強い気持ちを持ち続けた大石が、グッドのキックを追走。後藤が競ったあとのこぼれ球を、こちらも足をつりながらインゴールで押さえて、やはり嬉しい公式戦初トライを挙げた。



 グッドのコンバージョンは残念ながら外れて38―47で試合が終了したが、試合の入りで意図した通りに先制し、逆転されても諦めずに反撃。スコアが開いても気持ちを強く持ち続けて、神戸製鋼にボーナスポイントを与えなかった。勝利という結果を得ることはできなかったが、チームが1つになって、今季にかける意気込みを見せたのである。
 だから、亀井キャプテンは、こう試合を振り返るのだ。
「勝てなかったけれども、今季はラグビーをやっていて楽しい。今日も、みんなが自信を持ってどんどん前に行こうとする姿勢が感じられて嬉しいです。むしろ僕の方がバテていたので、もうちょっと頑張らなアカン、と反省しています」
 今季の武器となるべき強みと、勝利をつかむために修正すべき課題を明確にして、グリーンロケッツは開幕戦を終えた。この試合を単なる「いい試合」に終わらせないためにも、次節のNTTドコモレッドハリケーンズ戦(27日 ヤンマーフィールド長居 14時キックオフ)で勝利を目指す。


 





浅野良太ヘッドコーチ


今日の一番の収穫は、試合のスタートでした。
昨季、中断した時点で6戦全勝だった神戸製鋼に対して、この1週間「パンチ・ファースト」をテーマに、「先にパンチを叩き込め」という意識を持つように準備をしてきました。それを選手たちが実行してくれた。試合のなかで最高の自信を得られたのではないか、と思います。
この1年、レジリエンス(反発力)をテーマにしてきました。
コロナ禍でスケジュールを大きく変えなければならなかったり、予期せぬことがいろいろと起こりました。けれども、選手たちは目標を見失わなかった。目標を持ってラグビーに取り組むことで、予期せぬ出来事が起こってもどうすればいいかという対応力がついたのでしょう。
ラグビーも同じで、試合のなかでは予期していたことも起こるし、予期していないことも起こる。それに対応し、跳ね返すことが今日はよくできたと思います。
チームにとっては、アレックス(・グッド)の存在が大きかった。
今日が最初の公式戦でしたが、ゲームマネジメントの部分でチームにプラスの要素をもたらしてくれました。指示が明確なので、選手はやりやすいのでしょうね。プレーの選択も明快だし、決断が早いので、動きやすい。刻々と変わる状況に対応して、どうすればいいかをチーム全体に伝える力が優れています。1人でこれだけの影響力を発揮できる選手は非常に少ないと思いますし、トップリーグにはさまざまな国から一流の10番が来ていますが、僕は、アレックスはそのなかでもナンバーワンだと思っています。
 ディフェンスは、神戸製鋼のアタックを止めきれなかった部分があったと思います。ディフェンスした結果が、相手から反則を誘うことやボールを奪うことにつながるという、最終的な結末を、みんなが同じ「絵」として共有する必要があると痛感しました。相手からボールを奪いきるのか、ある程度圧力をかけたところで相手にボールを出させて次の防御に備えるのか、その辺りの見極めを整理したいですね。
次節のNTTドコモレッドハリケーンズ戦は、今日の試合で出た良さを継続しながら、課題の部分を修正していきたい。具体的には、アタックをどう継続してトライに結びつけるか。そして、ディフェンスの結末を意識すること、こういった部分は1週間で十分に準備ができるし、強化もできます。だから、大きく何かを変えるのではなく、ディテールを詰めて、磨いていきたいと考えています。



亀井亮依キャプテン


今季は前に出て圧力をかけていくディフェンスに取り組んでいます。
早く前に出ることで、相手から判断する時間を奪い、オプション(選択肢)を少なくすることができるし、ミスを誘発することもできる。これは、プレシーズンから手応えを感じていた部分でした。今日の最初のトライも、そうした圧力から生まれましたし、チームとして進歩してきた感があります。
あとは、それを試合の時間のなかでどう持続するか。それから、このディフェンスが効果的だからといって、状況にかかわらず常に同じディフェンスを続けていたら、相手に対応されたときに簡単にトライを獲られてしまう。前に圧力をかけながらも、連携を保って外側のスペースを埋めることもやり続けなければならない。その辺りの対応力が、課題だと思います。
今日は、アタックで持ち込んだボールを相手に奪われたり、ボールを放すことができずにノット・リリース・ザ・ボールの反則をとられる場面が多かったのですが、これは、練習のときから試合と同じような状況を作り出してこなかったことが影響していると思います。練習のときから試合と同じような激しさで、防御側の選手が激しくチャレンジすることが必要ですし、フォワード・バックスの区別なく誰がサポートに入らなければいけないのか、そういう判断をもっと磨く必要があるでしょう。シーズンを通して成長しなければならない部分です。
次節のNTTドコモレッドハリケーンズ戦は、勝つことはもちろん、見ていてワクワクするような、エネルギーを伝えられるような試合をしたいと思っています。
前に出るディフェンスやボールを大きく動かすスタイルで、新しいグリーンロケッツのラグビーをお見せできるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!
 
(取材・文:永田洋光)
 
■試合ハイライト(J SPORTS YouTubeチャンネル)  

 

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31 19 - 26 59
12 33
T G PG DG   T G PG DG
3 2 0 0 3 2 0 0
2 1 0 0 5 4 0 0
5 3 0 0 8 6 0 0

2021/03/06 12:00

東京・秩父宮ラグビー場

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