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2020/12/14

試合レポート

ルーキー山極の意気込みも届かず、グリーンロケッツ、課題を残してキヤノンに敗れる!

 キックオフまで1時間以上もあるというのに、柏の葉スタジアムには長い列ができていた。
 入場の際に、新型コロナウィルス感染対策として検温が行なわれたためにできた列だが、その長さが、ラグビーを生で観戦することを楽しみに待ち続けたサポーターたちの思いを端的に象徴していた。



 NECグリーンロケッツのジャパンラグビートップリーグ2021に向けたプレシーズンマッチは、先月28日に我孫子グラウンドで行なわれた釜石シーウェイブス戦が最初だが(39―12)、これは無観客試合。観客が入ったなかでの試合は、柏市ラグビーフェスティバルのメーンイベントとしてキヤノンイーグルスを相手に行なわれたこの試合が初めてだった。
 しかも、試合前には、秋山浩保・柏市長、星野順一郎・我孫子市長とグリーンロケッツの間で、地域振興・地域貢献の相互連携協定の調停式が行なわれた。
 これは22年度からスタートする新リーグに向けた動きの一環だが、コロナ禍で停滞していたラグビーが、ようやく動き出したことを印象づけるようなセレモニーだった。



 ルーキーながら先発で背番号5を背負い、LOとしてピッチに走り出した山極大貴は、この雰囲気に「少し緊張しました」と振り返った。
「無観客試合とは雰囲気が全然違っていましたからね。ただ、試合が始まると、自分がいいプレーをしたときに歓声が聞こえた。本当に嬉しくなりましたし、試合を楽しめました」
 釜石戦ですでにゲームは経験済みだが、ホームでのデビューはやはり特別なものだったのだ。



 試合は、グリーンロケッツがキックオフを蹴り込んで始まった。
 ホームでのゲームに、グリーンロケッツは気持ちの入った防御を見せ、23秒でタックルからキヤノンの落球を誘ってターンオーバー。いきなりチャンスをつかむ。
 最初は左へ。そして右へとボールを動かし、キヤノンのディフェンスを揺さぶって、右タッチライン際で待つFL細田佳也にパス――というところで、キヤノンFBエスビー・マレーにインターセプトされて一転して大ピンチに。グリーンロケッツも、WTBアンドリュー・ケラウェイが懸命に戻って追いつき、タックルを見舞う。しかし、足首を払いに行ったタックルをマレーにふりほどかれて、トライを許した。キヤノンSO田村優のコンバージョンで0―7。
 いいリズムで入ったゲームが、ビハインドを追う展開に暗転してしまったのだ。
 6分にも、リスタートからアタックを仕掛けたところでハンドリングエラーが出てボールを奪われ、そこからキヤノンに攻められる。最後はWTBホセア・サウマキにトライを許してビハインドは14点差に。
 13分には、一度はゴール前で相手ボールのラインアウトをターンオーバーしてピンチを脱出しながら、自陣のスクラムでボールを奪われ、キヤノンNO8コーバス・ファンダイクに、入れ違うように走られてトライを追加された。
 マイボールを奪われたことが起点の連続失点だ。
その流れを、浅野良太ヘッドコーチ(HC)は、こう振り返った。
「今日は、自分たちがアタックしているなかでボールを失い、ターンオーバーから奪われたトライが多かった。最初に奪われたインターセプトからのトライも、その前のアタックはとても良かったのですが、アンラッキーな面もあったものの、トライを取りきることができなかったために起きた失点と言えるでしょうね」
 グリーンロケッツが反撃するには、キヤノンに傾いた流れを厳しいタックルで断ち切り、改めて自分たちのアタックを仕掛けるしかない。



 スコアを0―21とされた直後のリスタートで先陣を切って実行したのは、FL亀井亮依キャプテンだった。
 エリアを獲得するためのキックを蹴ろうとした田村に猛然と襲いかかり、チャージはならなかったものの、ボールを手に当ててマイボールとする。グリーンロケッツの時間が始まったのはここからだった。
 ルーキーの山極も、この時間帯に「会心のタックルを決めた」と振り返る。
「今日はタックルで激しく前に出ることをテーマに臨んだのですが、前半20分から30分の間に一度、ターゲットにしていたキヤノンのFWにしっかりタックルすることができました。その後のラックでキヤノンの球出しが乱れて、マイボールのラインアウトになったので、結果も良かったと思います」
 そして、この時間帯に、グリーンロケッツはトライを2本返して食らいつく。
 まずは24分だ。
 ゴール前に攻め込んでのラインアウトを山極が確保。FWでモールを押し込もうとしたが、レフェリーから「ユーズ・イット」の声がかかって、SHでもう1人のキャプテン中嶋大希がサイドアタック。そこからさらにフェイズを3つ重ねてゴールラインに迫る。
 最後は亀井キャプテンが、スピードに乗ったまま走るコースを少し内側に変えてパスを受け、防御を切り裂いてインゴールに飛び込んだ。
 ラインアウトでボールを獲得し、アタックの起点となった山極が振り返る。
「モールをずっと練習していたので、本当は押し込んでトライを取りたかったのですが、『ユーズ・イット』」の声がかかってからのみんなの反応は良かったと思います。だからトライに結びついたし、練習の成果が出たトライでしたね」
 さらに31分には、ふたたびゴール前のラインアウトから、もう1人のLO田中章司がボールを確保。今度は、モールをしっかりと押し切ってNO8ジョージ・リサレがトライを加えて意地を見せた。
 ただ、いずれのコンバージョンも外れて10―21と、なかなか点差が詰まらない。
 それでも35分には、SO亀山宏大がパスダミーできれいにキヤノンの防御を破って前進。サポートした田中がラックに持ち込んだが、そこでサポートが遅れてボールを奪われる。しかも、そのまま一気にトライへと持って行かれて、せっかくの反撃ムードに水を差された。
 グリーンロケッツは、前半終了直前にもゴール前へと攻め込んだが、ペナルティを得て選択したスクラムで、逆に反則を取られて得点を挙げられず、10―26でハーフタイムを迎えた。



 後半は、立ち上がりこそ何度かチャンスを作り出したもののトライを奪えず、逆に6分にトライを奪われると、そこからズルズルと失点を許し、反撃は21分にモールからトライを1本返したのにとどまった。
「自分自身のパフォーマンスを振り返ると、前半は体力もあったし、イケイケでタックルにも入れましたが、後半になってフィットネスが落ちてくると、集中力もどんどん下がってしまいました。80分間走り切る体力の必要性を痛感しましたね。それがこれからの、僕の課題です」
 後半途中でサム・ジェフリーズと交代した山極は、自分のパフォーマンスをそう総括したが、これは山極だけにとどまらず、チーム全体の課題とも言えそうだ。
 しかし、「それほどネガティブになる必要がない」と、亀井キャプテンは言う。
「今日は、最初のインターセプトのように、アンラッキーなトライもありましたから。ただ、ペナルティを犯したり、お互いにコミュニケーションが取れていないところは出たので、それが開幕までの課題になりますね」



 グリーンロケッツの開幕戦は来年1月17日。
 熊谷ラグビー場に乗り込んでのパナソニック ワイルドナイツ戦だ(14時キックオフ)。
 それまでに、そのパナソニックも含めて、あと2試合、無観客ではあるけれども、プレシーズンマッチを残している。
 果たしてその間にこの試合で出た課題を整理して、万全の状態で開幕を迎えられるか。
 山極は、「目標は先発で5番のジャージーを着て開幕戦に出ること。そして、シーズンを通して活躍して、ジャパンのスコッドに選ばれて、W杯を目指すことです」と、課題のフィットネス強化に挑むことを宣言。シーズンに向けて、大志を抱く。
 亀井キャプテンも、「これまでハードに練習してきたことが、今日は3トライに結びついた。これは、小さいながらも収穫と言えるでしょう」と、チームに変化の芽が兆している手応えを明かす。
浅野HCも、「トップリーグでは、みなさんに勝利をお届できるようにしたい」と、希望を膨らませる。
 開幕までに残された時間は少ないが、年末年始を挟んで、グリーンロケッツは復活へと挑戦を続ける!







■浅野良太ヘッドコーチ


「トップリーグではみなさんに勝利をお届して、ジャージーに誇りを持てるようにしたい!」


今日は、柏市ラグビーフェスティバルということで、我孫子市の星野順一郎市長、柏市の秋山浩保市長がお見えになり、ホームエリアのみなさんを前に試合ができて本当に良かったと思います。このコロナ禍にもかかわらず多くのみなさんが会場に足を運んでくださいました。みなさんに勝利をお届できなかったのは残念ですが、本当に感謝しています。
チームは11月28日に釜石シーウェイブスと練習試合を行ないましたが、この試合は無観客で行なわれたもの。ですから今日は、本当に観客のみなさんがいらっしゃることがいかに大切かを、痛感しました。我々は観客のみなさんあってこそのチームですし、選手たちも本当に喜んでいました。
22年度からスタート予定の新しいリーグも見据えれば、我々がこの地で活躍することがなによりの地域への恩返しになります。これから1月17日の開幕戦(対パナソニック ワイルドナイツ 熊谷ラグビー場)までに、2試合のプレシーズンマッチ(ともに無観客試合)を経て課題を修正し、トップリーグでは、皆様に勝利をお届けするように頑張ります。
シーズンが始まれば、定員の50%に制限されるとはいえ、足を運んでくださるサポーターの皆様の前でプレーができます。そこで勝利をお届けして、みなさんにNECのジャージーに誇りを持っていただければ、と思っています。

今日の試合について言えば、ボールをつないでアタックするという自分たちの良さは出ましたが、トライを取りきるというところで課題が残りました。
試合開始早々のアタックはとても良かったのですが、最後にインターセプトされてトライを奪われたのは、アンラッキーな面もありました。しかし、トライを取りきることができなかったために起きた失点とも言えるでしょう。
自分たちがアタックしているなかでボールを失い、ターンオーバーから奪われたトライも多かったですね。
前半35分には、SO亀山宏大がいいラインブレイクをして、LO田中章司がサポートしたのですが、ラックに持ち込んだところでキヤノンにボールを奪われて、そこから一気にトライを奪われました。この場面も、田中が持ち込んだラックにサポートが遅れたことに加えて、ラックの周りにもっと他の選手たちがいて、対応して欲しかった。
今後の練習では、やはりボールをキープし続けるところを改善していく必要があります。
ターンオーバーからの攻守の切替えはトライを奪われやすいので、まずターンオーバーをされないこと。それからターンオーバーされた後もしっかり対応して守りきれるようにすることが課題です。だから、今後は、練習のなかでプレーの強度やスピードが上げで、いかに試合と同じような状況のなかでプラン通りにアタックを実行するか。そこにフォーカスしていきたいですね。
我々スタッフも、試合の強度やスピードに近い状況を作って上げられるよう努力します。そういうストレスに対して、選手たちがきちんと対応できるようになれば、アタックでボールを失って相手にトライを奪われるといった場面を減らすこともできるでしょう。
その意味では、我々スタッフの働きも、大切なポイントになると思っています。



■亀井亮依キャプテン


「ハードな練習が3トライに結びついたことが、小さいけれども収穫でした!」


今日は試合には負けましたが、これまでハードに練習してきたことが、3トライに結びつきましたた。これは、小さいながらも収穫と言えるでしょう。特にFWは、モールからのトライを練習してきたことが形として出た。その点が良かったですね。
アタックは、要所でゲインラインを切りに行くイメージを、みんなが「セイムページ」で同じ絵を見ながら共有していけば、もっと良くなると思います。今日は、当日のメンバー変更もありましたし、まだメンバーを試しながらプレーしているので、共有という部分ではまだまだの部分がありましたが、昨季よりも変化をつけるようにしていて、少しずつ芽は出ています。
ディフェンスでは、アンラッキーなトライを取られたりで、そこまでネガティブになる必要はないと思っています。ただ、ペナルティを犯したり、お互いにコミュニケーションが取れなかったところが、開幕までの課題になります。
今季は、ディフェンスはこうするという大きな枠組みがチームで決まっているので、それを要所要所で出せるようにしたいですね。特にプレシーズンマッチでは、どんどんいいチャレンジをしていきたい。今季は強いチームと試合を組めるので、そこからいい準備につなげていきたいですね。
僕のトライは……僕がトライを取るのがメチャクチャ珍しいので、自分でも「あれ、トライ?」と思ったくらいでした(笑)。状況的には、それまで2回ほどゴール前まで攻め込みながらトライを取れない場面が続いていましたから、あの場面では、自分で取りきる覚悟で行きましたが。
ただ、繰り返しになりますが、自分のトライよりも、チームとして練習してきたことが、試合でのトライに結びついたことが、今日の収穫でした。
 
(取材・文:永田洋光)

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プレーオフトーナメント

NEC
グリーンロケッツ

vs

サントリーサンゴリアス

NECグリーンロケッツ

サントリー

31 5 - 36 76
26 40
T G PG DG PT   T G PG DG PT
1 0 0 0 0 6 3 0 0 0
4 3 0 0 0 5 4 1
5 3 0 0 0 11 7 0 0 1

2021/04/24 14:30

東京・秩父宮ラグビー場

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