トップリーグ09-10 第5節 神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦 ~ 逆転負けの悔しさバネに、浮上のきっかけをつかめ! ~

info_category1.gif2009/10/13

24─27。
 ここ2シーズン開幕戦で顔を合わせて連敗している神戸製鋼コベルコスティーラーズとの対戦は、試合終了直前に神戸ゴール前のダメ押しトライチャンスから一気に100メートル近くを逆襲される、悔やんでも悔やみきれない痛恨の逆転負けに終わった。
 相変わらず勝ち星に恵まれないグリーンロケッツ。
 しかし、立ち上がりの10分間と終了直前の数分間を除けば、ようやく随所にグリーンロケッツらしい「粘りと泥臭さ」(岡村要ヘッドコーチ)が見られたゲームだった。
 リーグ戦の立ち上がり5節で1勝4敗勝ち点6という成績は確かに不振を極めているが、そこにばかり目を向けても結果はもう覆らない。これから先のリーグ戦を見据えれば、この試合でようやく形になり始めたポジティブな要素をいかに伸ばしていくかが何よりも大切なことになる。
 この試合は、現状のグリーンロケッツの長所と短所が残酷なまでに鮮やかに示し出されたゲームだった。
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 神戸製鋼のキックオフを受けたグリーンロケッツの連続攻撃から試合は始まった。
キックの蹴り合いからラインアウトを経て、グリーンロケッツはボールを大きく展開。4次まで攻撃を連続させたが、5つ目の密集戦で神戸の堅い守りに反則を取られてチャンスを逃す。
 せっかく連続攻撃に持ち込みながらブレイクダウン(ボール争奪局面)の精度が低く、大きな突破には至らない。これが、今シーズン、グリーンロケッツの苦戦が続いている要因の一つだ。
チャンスとピンチに集中する意識が高い神戸製鋼は、4分にグリーンロケッツ陣内に攻め込みラインアウトから左へ展開。アウトサイドCTBの今村雄太を走らせて先制トライを挙げた。
 続く7分には、グリーンロケッツ陣内に10メートルほど入ったところで、グリーンロケッツのラインアウトのボールを奪って右へ展開。SO菊池和気のキックパスをキャプテンのWTB大畑大介が追走した。
 グリーンロケッツは左WTBシュウペリ・ロコツイが対処したが、ボールに気を取られて大畑に注意が向かなかったのか、ゆっくりとボールを処理しに行った隙をつかれて大畑にボールを奪われ、2つ目のトライを許した。

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 いずれのゴールキックも成功せず、失点が10点にとどまったことが救いだった。
 10分にSOヤコ・ファン・デル・ヴェストハイゼンがPGを決めて3点を返したあともピンチは続く。
 14分にはマイボールのラインアウトからタップバックしたボールを神戸に奪われ、自陣深くへと攻め込まれる。密集戦での攻防に粘りが出てきたグリーンロケッツは、このピンチを何とかしのぐ。
 18分には、神戸にゴール前まで攻め込まれ、モールを押し込まれてコラプシングの反則を取られる。神戸はすかさずラインアウトを選択して、ふたたびモールを挑む。しかし、ここでグリーンロケッツのFWが奮起。ラインアウトを奪ってピンチを脱出した。
 あと1本トライを取られたら、勝負の流れが一気に傾いてしまいそうな瀬戸際で、ようやく身上の粘り強いディフェンスが出てきたグリーンロケッツは、攻めあぐむ神戸から徐々に流れを奪って反撃。敵陣に入ってゲームを進められるようになった。

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 27分には、ラインアウトからFLニリ・ラトゥを走らせて攻撃の起点を作り、そこからさらに左に展開。LO玄成哲が続き、ラックからふたたびニリにボールを持たせる。そこにCTB釜池真道がスルスルと内側に寄ってボールをもらい神戸の防御を突破。チャンスの芽を広げた。
 グリーンロケッツは、その後のラックから今度は右に展開。最後は、神戸防御の背後に抜けたCTB櫻谷勉がWTB窪田幸一郎にパスを通して、窪田が待望のトライを挙げた(ゴール失敗)。

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 続くキックオフでは、NO.8日高健が自陣深くから大きくゲイン。ラックから出たボールをヤコが相手陣深く蹴り込んで、ふたたび攻め込んだ。
 その後のラインアウトで神戸が反則を犯すと、グリーンロケッツはラインアウトを選択してさらにトライを狙う。しかし、このチャンスのラインアウトで神戸にボールを奪われてしまう。これが前半3つ目のラインアウトでのターンオーバーだ。
 それでも34分にヤコがPGを加えて11-10とスコアを逆転。立ち上がりの印象とは逆にグリーンロケッツがリードしてハーフタイムを迎えた。

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 前半で惜しまれるのは、逆転した直後のキックオフからのプレーだった。
 神戸がキックオフに失敗して得た中央スクラム。さらに得点をたたみかけるチャンスだったにもかかわらず、神戸にスクラムをコントロールされてSH西田創がボールを入れられず、相手にフリーキックを与えてしまった。
 ラインアウトもそうだが、神戸の方がチャンスとピンチに力を集中している印象を受けた。こうした細かいミスが、グリーンロケッツの得点力を減じていると言えるのかもしれない。


 後半。
 2分、8分とヤコが連続でPGを決めたグリーンロケッツは、10分過ぎから始まった神戸の猛攻を粘り強い守りで耐えに耐え、自陣深くでボールを奪い返すと思いきって右へ展開。PR久富雄一から窪田につないで一気に敵陣に攻め込むと、何度もトライ寸前でタックルを浴びながらもミスなくボールをつなぎ、最後は窪田が2本目のトライを奪って突き放しにかかった。

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 ヤコのゴールも決まって24-10。
 しかし、神戸も諦めずに反撃して19分にトライ(ゴール)を奪い、31分にもPGを追加。グリーンロケッツの4点リードで最後の10分間の攻防に突入した。
 グリーンロケッツは神戸陣内に攻め込み、ゆっくり時間をかけてゴールラインをうかがう。
 35分過ぎからは、神戸をゴールラインに釘付けして得意のモールで何度も揺さぶった。
 トライを挙げれば点差は9点。グリーンロケッツの勝利がほぼ確定する。
 攻めるグリーンロケッツと守る神戸。両チーム必死の攻防は、桜岡将博レフェリーの笛で中断した。グリーンロケッツが、密集戦で反則を取られてしまったのだ。

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 時計は38分を回っている。神戸はすぐに攻撃を仕掛けてバックスに展開。グリーンロケッツは、この攻撃を止めればふたたび勝利の女神を捕まえることができる。
 しかし──。
 ガマンすべきバックスのディフェンスラインから、途中出場の安藤栄次が一か八かのタックルに飛び出して振り切られ、神戸に3対1の数的優位を作られてしまう。そして、今村にそのまま長い距離を走りきられて、ほぼ手中にしかけていた勝利が神戸の手に渡った。
 ゴールも決められて、最終スコアは24-27。
 グリーンロケッツは涙を呑んだ。


 試合後、岡村ヘッドコーチは、悔しさを押し殺してこう言った。
 「勝とうという焦りと、これまで勝っていない自信のなさ。それが出てしまった。あと数分を乗り切れば大きな勝利をつかめたんですが……。でも、今は残念な気持ちがすごく強いけれども、80分間全体を評価すれば、粘り強く泥臭いグリーンロケッツのラグビーができるようになってきた。これを足がかりにして、もう一度自分たちのラグビーをするだけです」
 熊谷皇紀キャプテンも、「来週は“いい内容のゲームだった”で終わらせないよう、きっちりと勝ちたい。いい意味で自信を持てれば大丈夫でしょう」と、前を向いた。
 確かに勝ち点4がわずか数分で1に変わってしまったしまった現実は、なかなか受け入れがたいかもしれない。しかし、それ以上に、昨シーズンも含めてここ最近見られなかった、粘り強い守りからの逆襲でトライを奪う場面が、この試合では見られたことに希望を見いだした方が、この先のシーズンを考えればずっとずっと建設的だろう。
 最初の10分と最後の数分を除いて、グリーンロケッツは、ようやく本来の姿を取り戻した。
 あとはそれを80分間にわたった貫くだけだ。来週の相手は、今シーズン好調のコカ・コーラウエストレッドスパークス。気持ちを入れ直して倒すのに十分なカードとなる。



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 今日の試合はすごく悔しかった。グリーンロケッツが十分勝てた試合だった。内容的にはグリーンロケッツの勝ちだったと言えるでしょう。
 今まで毎週2人の良かった選手を挙げてきましたが、今日は2人だけじゃない。全員が良くやりました。攻撃もディフェンスも組織的になってきたし、ゲーム・コントロールも良かった。そういう意味では、今日がグリーンロケッツのスタートと言えるでしょう。やっとチームのレベルが、予定したところまで上がってきました。
 ただ、前半の立ち上がりに2トライを取られたり、最後に反則を取られてしまったり、まだ細かいところに不満が残ります。
 ラグビーでは、1対1のタックルであったり、正確にパスを放る能力であったり、細かいことがすごく大切です。立ち上がりに取られた2つのトライに関して言えば、タックルとキックボールの処理でのコミュニケーションにミスがありました。それは、来週に向けた練習のなかで各自が修正しなければいけないポイントになるでしょう。
 来週のコカ・コーラは、クボタに勝って(38-33)自信をつけている。今シーズンはとても強いチームです。だから、グリーンロケッツも、もう少しレベルアップしないといけないでしょう。
 でも、繰り返しますが、今日がシーズンのスタート。これからだんだんチーム力は上がってくる。そう考えて、来週のコカ・コーラ戦に臨みます。

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取材・文:永田 洋光/写真:加守 理祐