開幕戦は「やるしかない!」 グリーンロケッツ熊谷キャプテン、開幕戦への抱負を語る

info_category3.gif2009/09/01

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  A型インフルエンザがチーム内に発症して、8月21日の三洋電機ワイルドナイツとのプレシーズン・マッチが中止になったNECグリーンロケッツ。29日に 予定された、横河武蔵野アトラスターズとの試合も、開幕戦へ向けて万全を期すために中止となった。そして、グリーンロケッツの選手は順調に回復し、同日に 部内をイエローとレッドの2つのチームに分けて練習試合を行い、約1週間ぶりで身体をぶつけ合う感触を味わった。
 昨シーズンのグリーンロケッツは、トップリーグ5位に終わり、3年ぶりに出場した日本選手権でも、神戸製鋼コベルコスティーラーズを30─29と破った ものの、リコーブラックラムズに23─24と敗れて、不完全燃焼でシーズンを終えた。が、その分、今季に懸ける思いは熱い。
 今季の開幕戦は、クボタスピアーズが相手。グリーンロケッツはどんな意気込みでスタート・ダッシュに挑むのか。負傷も癒えて万全を期す、熊谷皇紀キャプテンに抱負を語ってもらった。


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――開幕戦に向けての意気込みを聞かせてください。
熊谷:インフルエンザでプレシーズン・マッチが2試合できなかったわけですが、コーチ陣も僕も、それほど気にしてはいません。部内でゲームができたことも良かったし、シーズン前に試合ができなかったことで芽生えた危機感を、チームのまとまりに変えればいいわけですから。
 例年とは違う入り方になりましたが、もともとコーチ陣もチームをペースダウンさせようと考えていた時期だったし、そういう説明もあったので、いい休養期 間だと考えています。そのぐらいで崩れるようなチームじゃない、という思いがみんなにあるし、過ぎたことを考えるより、開き直って「やるしかない」と覚悟 を決めているから、不安感もない。「雨降って地固まる」というか「災い転じて福と成す」という結果になることを望んでいます。
 インフルエンザに関しても、シーズンが深まるにつれて神経質になるチームが増えると思いますが、僕たちはここでルールを確立できた。それが、大きなプラスになるでしょうね。

――開幕戦の相手が、昨年、一昨年と連敗している神戸製鋼ではなく、クボタになりましたが、その点はどう考えていますか?
熊谷:開幕戦で神戸製鋼とやりたかったという気持ちは、みんなのなかにあったでしょうね。
 でも、クボタは強いチームです。実際、3年前には負けて(28─46)いますし、いい緊張感を持って臨めると思います。特に、昨シーズンからSOを務め ているシェーン・ドゥラームがチームにフィットしていて、彼のキックで地域を獲得してくるから、絶対に油断することはありません。

──昨シーズンは、日本選手権でリコーに負けてシーズンが終わり、ファンには不完全燃焼な思いが残りました。
熊谷:チームにとっても不完全燃焼でした。だからこそ、ああいう負け方をした借りを返したいという気持ちが、強くあります。
 受け入れがたい結果でしたけど、二度と失態を繰り返さないと決意してシーズンに入れる点では、いい教訓になっている。春から何度も、あの試合のことをミーティングで話していますし、絶対に同じ轍を踏まない決意でいます。

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──今シーズンのグリーンロケッツの特徴を教えてください。
熊谷:去年とは、ブレイクダウンでの戦い方が少し変わります。
 ここはNECがこだわっている部分ですが、今シーズンは場面場面での選手の判断力を磨いてきました。だから、相手の攻撃に対する防御力も上がると思う し、ターンオーバーの場面も多くなるでしょう。ターンオーバーからトライを奪うというのは、以前からの特徴でしたけど、今年はもっとそういう場面を増やせ ると思います。
 それから、去年のELV(試験的ルール)から、モールを引き倒していいという条項がなくなったので、モールからのトライも増えるかもしれませんね。

──キャプテンとしてオススメの新戦力はいますか?
熊谷:部内マッチでイエロー・チームのCTBを務めた釜池(真道)がいいですね。
 今年入った選手ですが、アタックはもちろん、ディフェンスが素晴らしい。低い姿勢から相手にヒットして、そのまま足をかいて相手を押し倒すことができ る。スピードに自信があるから、一か八かでタックルに飛び込むのではなく、相手を確実につかんで仕留めるので、相手はボール・コントロールを失うし、味方 には抜かれないという安定感がある。
春から彼のプレーを見てきて、ディフェンスに入る気持ちがすごくいいと思っています。
 他の新人たちも、みんなメンバーに絡む可能性があるし、誰がメンバーに入っても、不安に感じるようなことはありません。去年、一昨年と若いメンバーを起 用してきたので、個々の力の差が縮まって、チーム全体に自信が芽生えてきましたね。それも、大きなプラスになると思います。

──今シーズンは、2週目の12日に地元の柏の葉で東芝ブレイブルーパスとの試合が予定されていますが、その意味でも開幕戦は大切ですね。
熊谷:いい形で勝って、「NECが変わったぞ」というプレッシャーを東芝にかけたいですね。
 でも、正直に言えば、今言われて東芝が2試合目だということを思い出したぐらいで(笑)、今はクボタに勝つことしか考えていません。NECの選手は東芝 と試合するのを楽しみにしているので、開幕戦が終われば自然に戦う気持ちになるでしょうが、誰も今は東芝のことなんか考えていないですよ。

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──キャプテン自身の今シーズンに懸ける思いを聞かせてください。
熊谷:去年は春に恥骨結合炎の手術をして、その後ようやく調子が上がって試合に出られる頃に右足首の脱臼骨折をしてしまった。日本選手権でリコーに勝っていれば、次の試合が復帰戦になるはずだったんですが、結局そこでシーズンが終わってしまった……。
20年間ラグビーをやってきて、一番不本意なシーズンでした。
 試合ができなかったこともそうですが、グラウンドでみんなといっしょにチームを作る過程に参加できなかったのが、とても悔しかった。
 今年は、個人的には「やり遂げる」という言葉を目標にしているのですが、グラウンドに立ち続けて、キャプテンとしての仕事をやり遂げたい。本当に去年は、外からしかアドバイスできないことを不甲斐なく思っていましたから。

──今年の目標は?
熊谷:とにかくベスト4に入って、優勝を狙う位置にいること。それに尽きます。どのチームにも気を抜けないのがトップリーグなので、安定して自分たちの力を発揮することが目標ですね。

──最後に、キャプテンから、今季のグリーンロケッツの「ここを見て欲しい」というポイントを聞かせてください。
熊谷:い つも同じような話になるのですが、やっぱりブレイクダウンやディフェンスの激しさを見て欲しい。華麗なプレーも、もちろんお見せしたいのですが、それより もしつこさや泥臭さ、激しさにこだわっているので、どうしてもそうなりますね。あまり面白くないチームのように聞こえるかもしれませんが(笑)、でも、そ れが僕らの本音です。
 だから、タックルが決まったら拍手してもらいたいし、攻められて攻められて地域的に後退しても、しつこく戻って守り抜く姿を見てほしいです。相手の攻撃 をしつこく止めて、ターンオーバーからトライを取る、というところに何よりも注目してもらえれば、と思います。

──ありがとうございました。

(取材:永田 洋光)