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2020/02/25

試合レポート

■春一番に乱された「グッド・スタート」、グリーンロケッツ、リコーに敗れて6連敗!



 今季の初勝利を挙げるために、NECグリーンロケッツがテーマに掲げたのは「グッド・スタート」だった。
 しかし、コイントスの結果は、吹き荒れる春一番に向かってのキックオフ。まさに逆風下でのスタートとなった。
 SOスティーブン・ドナルドは、ベテランらしくこの風を利用する。
 戻されることを織り込んでボールを高く蹴り上げたのだ。
 果たして、ボールが大きく戻ってきたところで、グリーンロケッツがしっかりと確保。そこから最初のアタックに挑んだ。
 まず右タッチライン際でパスを受けたWTB飯山竜太が、リコーブラックラムズ防御の後ろにキックを落とす。蹴り返されたボールをキープしてグリーンロケッツが攻める。けれども、LOサム・ジェフリーズがブレイクしかけたところで孤立して、ノット・リリース・ザ・ボールの反則を取られた。
 グッド・スタートになりかけながら、「グッド」を継続できなかったのだ。
 実は、わずか1分ほどのこの攻防に、グリーンロケッツの良かったところと課題が凝縮されていた。
 試合後に、浅野良太ヘッドコーチ(HC)は言った。
「今日は、ボールを保持することについてはできていた。ノット・リリースを取られた場面も、ディフェンスを破った場面が多かった。つまり、ボールキャリアは良かったし、局面では勝てているけれども、サポートプレーヤーが遅かった」
 亀井亮依キャプテンも言う。
「ブレイクする場面もあって、チャンスメイクはできていたと思います。ただ、全体的なサポートがまだ遅い。それから、この場面は、キックでボールを相手に渡すのではなく、自分たちでキープしたかった。敵陣でしっかりボールを持ってプレーしたかったですね」
 ピッチの上では風が吹き荒れ、風下からはほとんどキックを使えない。
 といって、ボールを大きく動かそうとすれば、パスが風に押し戻されてコースが乱れ、ハンドリングエラーに結びつく。
 ひとたび相手にボールを渡せば、キックを風に乗せて自陣深くまで地域を戻される。
 そんな逆境のなかで、小刻みにボールをつなぎ、コンタクトを繰り返してボールをキープする戦術で、我慢の40分間を戦うことになった。



 耐えるグリーンロケッツは、前半5分に、自陣ゴール前でリコーが投げ入れたラインアウトのスローインが風に流されたところを奪取。これを大切に攻めた。
 まずバックスラインに回し、飯山が防御を破って前進。そこから、グラウンドの右半分を使い続けて小刻みにラックを作り、少しずつ前に出る。
「今日は、ほとんど初めて経験したくらい、思ったよりも風が強かった。だから試合前に、前半はまずボールをキープして、狭いサイドでのプレーを多くしようと話し合っていました」と、振り返るのは、この試合がケガからの復帰戦となったSH中嶋大希だ。
 重ねたフェイズは27。
 つまり、27個のラックを連取し、ゴール前からハーフウェイライン付近までじりじりと前進したのだ。
 ここでリコーWTBキーガン・ファリアが、我慢できずに故意にボールをはたき落とす反則を犯し、我慢が報われる。
 続くラインアウトから、グリーンロケッツが初めて仕掛けた。
 ドナルドからパスを受けたNO8ジャック・ラムが鋭いステップで防御を破る。
 しかし、ここもサポートが遅れ、リコーにボールを奪われた。亀井キャプテンの言葉通り、チャンスは作り出すのだが、それが分厚いアタックに結びつかないのだ。
 スコアが動いたのは13分。
 グリーンロケッツが、もう一度自陣から小刻みにパスをつないで脱出を試み、22メートルラインを越えた辺りでドナルドが内側をサポートした中嶋にオフロード。しかし、中嶋が抜けかけたところでスローフォワードと判定されて、リコーのスクラムと変わる。
 このスクラムからリコーに狭いサイドを攻められて、トライを奪われた。
 それでもまだスコアは0-5だ。
 22分には、自陣でフェイズを重ねたところで左へ展開。ドナルドから亀井→CTB松浦康一→WTB釜池真道とつないで大きくゲイン。さらにフェイズを重ねて、リコー陣内に攻め込む。しかし、このチャンスも、11フェイズ目にノックオンで得点に結びつけられない。
 風下の状況でチャンスを逸してボールを相手に渡せば、待っているのは自陣での防御だ。
 果たして29分。
 中嶋のタックルでピンチを防いだ直後のスクラムで、グリーンロケッツに手痛いミスが出た。
 中嶋からのパスを受けたCTBアマナキ・サヴィエティがボールをお手玉。このボールをリコーに拾われて、トライを奪われたのだ。コンバージョンも決められて0-12。
 浅野HCは、このミスを悔やんだ。
「風下からのスタートでしたが、非常に風が強くて、想像以上に影響された。それでも最初の30分間は、1トライは奪われたものの非常に良かったのですが、ゴール前でボールを落としてトライを取られた。これが非常にもったいなかったですね」
 いくら後半は風上に立つとはいえ、これ以上の失点は避けなければならない。
 そういう状況でフィフティーンが選択したのは、確実なボールキープだった。
 前半最後の4分間は、グリーンロケッツが自陣ゴール前でラックを小刻みに作って時間をつぶす。キックで地域を戻すこともできず、パスまで風に押し戻される状況で選択した苦肉の策だ。そして、22フェイズを重ねたところで前半終了を告げるホーンが鳴り、我慢の前半がようやく終了した。



 風上に立った後半は、リコーが蹴り込んだキックオフをキープできず、そのまま攻められる嫌な展開で始まった。
 しかも、ゴール前に攻め込まれたところでスクラムで連続的に反則を取られ、自陣から脱出することができない。
 46分には、タックルがボールキャリアに集中したところでパスを放され、リコーSOマット・マッガーンにトライを奪われる。コンバージョンも追加されて、0-19と引き離された。
 グリーンロケッツの反撃が始まったのは、60分が過ぎてからだ。
 リコー陣のラインアウトからフェイズを重ね、8フェイズ目で中嶋がラックサイドをついてポスト真下にトライ。ドナルドのコンバージョンで12点差まで追い上げる。
 さらに、続くキックオフリターンでリコーがハイタックルの反則を犯すと、ドナルドのキックでふたたびリコー陣内深くに攻め込んだ。
 そして、今度はラックから右にボールを動かして、途中出場のWTBロラギ・ビシニアからパスを受けたFB吉廣広征がインゴールに飛び込み、トライ。12-19と追い上げた。
 残り時間は15分弱。
 グリーンロケッツとしては、まず7点を返して同点に追いつき、そこから逆転の勝利を狙いたいところだが――ここでジェフリーズがハイタックルの反則を犯して、リコーに攻め込まれる。
 ゴールラインを背負った防御でグリーンロケッツは我慢することができず、70分にリコーの途中出場のFLタラワ・ファカタヴァにトライを奪われて万事休した。
「12-19まで追い上げたところは非常に良かったと思いますが……」と、振り返った浅野HCは、次節のクボタスピアーズ戦(29日 秩父宮ラグビー場 11時30分キックオフ)に向けて、こう話す。
「チームには、今週戻ってきたメンバーが多くいるし、新しい戦力のジャン・ドローストをデビューさせることもできました。こうした選手たちの力を借りながら、来週は、今週以上のグリーンロケッツを見せられるように準備をしたいと思います」
 亀井キャプテンも、1万人を超えた観客に感謝しながら、こう話す。
「まだ勝ちがなくて厳しい状況ですが、ラグビーに関してはだんだんステップアップして、自分たちのラグビーができつつある手応えがあります。今日も、非常に多くのサポーターの方に来ていただきましたが、まずは早く1勝して、みなさんに喜んでもらえるようにしたい」
 果たして、いまだに勝利がないグリーンロケッツが、今季これまで4勝2敗と好調なクボタを倒して、浮上のきっかけとすることができるのか――次週も舞台は秩父宮だ。






 昨季、ルーキーながら全10試合に先発出場し、グリーンロケッツの9番としてすっかり定着した中嶋大希が、今季は負傷で出遅れた。
 開幕前最後となったパナソニックワイルドナイツとの練習試合で負傷。そのため、連敗に苦しむチームを助けることができずに、治療とリハビリに専念していたのだ。
「今季は、開幕戦からガツガツ行く予定だったのですが、直前に時間のかかるケガをしてしまい、チームも連敗という苦しい状況になってしまいました。そのときは、まず、自分が復帰したときに何ができるか考えようと思っていましたが、チームが負け続けているので、もどかしい気持ちが強くなりました。焦る気持ちもありましたね。でも、トレーナーから『まずケガをしっかり治すことが先決』と言われて、リハビリに集中するように頭を切り換えました」
 それでも、やはり、もどかしさが募る。
 2年目の今季は、リーダーグループの一員に抜擢されたのだから、なおさらだ。
 浅野良太ヘッドコーチから指示されたのは、「試合中に亀井亮依キャプテン、スティーブン・ドナルドといっしょに、何をしなければいけないかを考えるように」ということ。だから、リハビリに専念しながらも、こんなことを考え続けていた。
「今季は、チームに勢いを与えるプレーを意識していきたいと思っています。昨季も意識はしていたのですが、どちらかというと自分のプレーにフォーカスする部分が多かった。今季はチームにもっとコミットして、人を動かしたり、方向性をしっかり定められるようなプレーヤーになりたい。そう考えています」
 復帰戦となったリコーブラックラムズ戦では、61分に反撃の口火を切るトライを挙げた。ラックから鋭くサイドをついて、ゴールポスト真下の飛び込む得意の形だった。
「この試合で初めて、やっとゴール前に攻め込んでのアタックができました。僕の強みを出しやすいエリアでしたし、僕に求められているのはチームに勢いを与えること。だから、チームを前に出すためにも、しっかりサイドアタックを狙っていました」
 自分が前に出ることでチームも前に出られる――そんな信念のトライだったのだ。
 試合中は、ドナルドとも密接にコミュニケーションを取る場面が目についた。これも、リーダーグループに入ったことが影響している。
「ビーバー(ドナルドの愛称)は、積極的に話しかけてきます。日本語混じりの英語というか、日本語英語みたいな感じですが、コミュニケーションをとるにはまったく問題がない。ビーバーも日本語を勉強していますからね。そうやってコミュニケーションを取りながら、相手の弱みを分析し、そこにチームの強みをぶつけていきたい。今のチームには、タテに強い選手もいますし、僕がサイドアタックするのも強みになりますからね。とにかくアタックでは、セットプレーからまず勢いを出して、そこからいいテンポを作って貢献したいですね。
ディフェンスでは、浅野HCからFWをコントロールするようにずっと言われています。あとは自分のディフェンスも強みなので、そういう部分も出していきたいですね」
 とはいえ、復帰戦は、強風下での戦いと、必ずしも絶好のコンディションではなかった。
「確かに初めて経験するくらいの強風でした。だから、前半はボールキープを心がけたのですが、見ていた方は面白くなかったかもしれませんね。でも、なるべくゲームを切らずにボールを動かしたので、かなり心拍数が上がりました。FWの選手もキツかったと思いますが、僕自身もかなりキツかった。それでも、後半になって、2本連続でトライをとったときには、『今日は勝つぞ!』という、いいムードになりました。今までの5試合には感じられなかった雰囲気でしたし、こういうムードが出てきたのは、小さなことかもしれませんが、進歩だと思います」
 復帰戦は残念ながら黒星に終わったが、中嶋が、これまで欠場した穴を埋めるような活躍で、シーズン残り9試合のうちいくつを白星へと変えられるか――中嶋に課せられた役割は、黒星を白星に変える、オセロゲームでいう大切な「コーナーストーン」なのである。
 
(取材・文:永田洋光)
 

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NEC
グリーンロケッツ

vs

リコーブラックラムズ

NECグリーンロケッツ

リコー

12 0 - 12 26
12 14
T G PG DG   T G PG DG
0 0 0 0 2 1 0 0
2 1 0 0 2 2 0 0
2 1 0 0 4 3 0 0

2020/02/22 11:30

東京・秩父宮ラグビー場

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