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2020/02/18

試合レポート

■先制しながら主導権を握れなかったグリーンロケッツ、三菱に敗れる!

  試合前日、ミーティングで亀井亮依キャプテンは、三菱重工相模原ダイナボアーズ戦に臨むテーマを2つ掲げて全員で共有した。
 1つは「なにがなんでも先制しよう!」。
 そして、もう1つが「前半をリードして折り返そう」だった。
 今季、プレシーズンマッチも含めて、NECグリーンロケッツはまだ一度も先制点を挙げていない。相手にスコアを許し、それを追う展開が続いている。だからこそ、先制し、スコアで優位に立ってゲームの主導権を握ることが、勝利に直結する最重要ポイントだったのである。



 試合が始まった。
 しかし、掲げたテーマとは裏腹に、自陣で防御を強いられる場面が続く。
 この間、グリーンロケッツは、三菱のアタックを止めてボールを奪うと、自陣からでも積極的にボールを回し、反撃に転じようと試みた。
 4分にはLOサム・ジェフリーズが相手の落球を拾ってラックに持ち込み、SOスティーブン・ドナルドに。ドナルドは、左端で待つWTB釜池真道にいきなり長いパスを通して、釜池が走る。しかし、ラックに持ち込んだところでボールがこぼれ、それを三菱FLトーマス優デーリックデニイに拾われてふたたびピンチに。
 ここでも5フェイズ目で、FLサム・ヘンウッドがジャッカルに入るが、ボールが手からこぼれてノックオン。三菱が続くスクラムからフェイズを重ねて、ゴール前に迫る。
 流れを変えるような、目立たないけれども貴重なビッグプレーが出たのは、8フェイズ目だった。ゴールライン手前のラックからこぼれ出たボールをFB宮島裕之が身体を投げ出して拾い、NO8ジャック・ラムにパスを送ったのだ。
 トップリーグ初出場となったラムは、ゴール前から力強く走って22メートルラインまで地域を戻す。ラック。ところが、ここでもボールを継続できずに奪われ、三菱LOジャクソン・ヘモボに走られる。これをなんとかタックルで倒してノックオンを誘い、ようやく我慢の時間帯が終わった。
 9分。
 グリーンロケッツは、自陣10メートルライン付近のスクラムを一気に押し込んで三菱の反則を誘う。これが、長い防御の時間の終わりを告げる、反撃の狼煙だった。
続くラインアウトからのアタックで、さらにペナルティを得たグリーンロケッツは、PGを狙わずにラインアウトを選択する。
 確保されたボールは、ドナルドからWTB飯山竜太に。飯山がラックに持ち込むと、さらにLO細田佳也が続く。そこから左にボールを動かし、PR瀧澤直が釜池にパスを通す。さらにラムがラックに持ち込む。
 そして13分、三菱防御が右に並んだグリーンロケッツのバックスに注意を奪われた隙を、SH吉川浩貴が鋭く突いた。
 パスダミーを振ってラックサイドを駆け抜けてトライに仕上げたのだ。
 ドナルドのコンバージョンも決まって7―0。
 掲げたテーマ「なにがなんでも先制しよう!」が達成された瞬間だった。



 しかし、もう1つのテーマ「前半をリードして折り返そう」には、すぐに暗雲が漂った。
 きっかけは、グラウンド中央での反則だった。
 キックの蹴り合いからできたラックで、ノット・ロールアウェーの反則を取られたのだ。しかも、続くラインアウトでも、三菱のジャンプした選手がまだ空中にいる間にタックルしたと判定されて反則を取られ、わずか数分で自陣ゴール前に攻め込まれた。
 浅野良太ヘッドコーチ(HC)が振り返る。
「反則は、どのチームでも毎試合起こる事象ですが、グリーンロケッツの場合は、これが連続して起こる。中盤でノット・ロールアウェーを取られて、次のラインアウトでも空中のコンテストの部分で反則を取られて、ゴール前に攻め込まれた。そういった連鎖が起こることが一番良くない。規律に関しては、練習中から我々が課題として受け入れているのですが……」
 しかも、このラインアウトから、三菱CTBマイケル・リトルにトライを奪われて7―7。
 主導権を長く握れないまま、ゲームは振り出しに戻った。
 亀井キャプテンも言う。
「あのトライは、ゴール前ラインアウトのモールから奪われたものですが、発端は、キックの蹴り合いからラックになったところでペナルティを犯したことです。グラウンドの中央だから反則を犯しても……という甘い認識でいれば、チームはなかなか勝てないでしょう。トライを取られた場面だけを反省するのではなく、発端がどこにあったのかをチームとして理解する必要がある。先制したいい流れを、さらに自分たちに持ってくるためには、安易に反則をしないことが大切。ディシプリンを守ることが、ゲームのマネジメントに直接関わってくるわけですから」

 悪い流れが変わりかけたのは、26分だった。
 グリーンロケッツは、同点に追いつかれたあとも、ペナルティを繰り返しては自陣に押し込められていたが、そんな状況でドナルドが、三菱のパスを読んでインターセプト。ハーフウェイラインを越えたところでボールを前方に蹴る。それを追走した宮島がさらに深くインゴールへと蹴り込んで、トライの匂いがするチャンスを作り出した。
 ここは三菱のリトルが戻ってドロップアウトとなったが、グリーンロケッツはなおもアタックを継続する。
 しかし――30分にドナルドが左のスペースに放ったパスを、三菱CTBマット・ヴァエガがインターセプト。アタックの途中で前掛かりになっていたグリーンロケッツは戻ることができずに独走トライを許し、7―14と離された。
 それでも、37分には、スクラムからの仕掛けでCTBマリティノ・ネマニが一気に抜け出し、50メートル独走のトライを奪って14―14のタイスコアで前半を終えたが、結局「先制して」試合を折り返すことはできなかった。



 後半の立ち上がりも、グリーンロケッツは長く苦しい防御を強いられたが、53分にドナルドのハイパントを追走したネマニが目の覚めるようなビッグタックルで落球を誘ってターンオーバー。そこから右の狭いサイドを攻め、タッチライン際でパスを受けたヘンウッドが、冷静に状況を見て前方にキックを転がす。
 しかし、ゴールライン手前でできたラックで、途中出場のサナイラ・ワクァが、やる必要のないオフサイドを犯し、自らアタックの勢いを止めた。
 浅野HCが言う。
「ハーフタイムに修正して後半は反則数が減ったのですが(前半は8、後半は4)、自分たちでコントロールできる部分で反則をしている。それが、甘さだと思う。この場面は、ゴール前に攻め込んでいるから、相手がタッチに逃げれば、またマイボールのアタックからゲームを再開できる。そういった絵を、僕が責任を持ってしっかり見せるべきでしょうね。ワクァは身体能力の高い選手ですが、これからいい選手になるためには、こうしたコントロールの部分を彼に言い続ける必要があると思います」
 現実的には、この反則が決定的に流れを変えた。
 トライは61分にスクラムを押し込まれて奪われた1つだけだが――そして、いくつものピンチを、ヘンウッドを中心にビッグタックルで守ってはいたが――、三菱のゴール前に居座って相手に精神的な重圧をかけながらじっくり攻めるようなシチュエーションを作り出せなかったのだ。
 いつしか、雨でボールが滑るなか、刻々と過ぎ去る時間を気にしながら攻めるグリーンロケッツが、逆に精神的にプレッシャーを受けるような展開になっていく。それが、ミスを誘発する……。
 試合終了の場面も、ゴール前でペナルティを得てスクラムを選択しながら、球出しで狂いが生じてのノックオンだった。
 亀井キャプテンは、記者会見でこう声を振り絞った。
「1トライ差の敗戦でしたが、この1トライ差は、試合以前の練習の段階から追求しなければいけない部分が、自分たちにはまだまだあるということだと思います」
 それでも、会見のあとには、「前半の先制トライの前に、スクラムを押してペナルティを取ったときの雰囲気も良かったですし、ゲームには勝てませんでしたが、今日は『これだ!』という感覚を得られた局面がいくつかありました。それが収穫だと思います。だからこそ、なぜそれを活かしきれなかったかを考えて、短い準備期間ですが、次のリコーブラックラムズ戦(22日 秩父宮ラグビー場 11時30分キックオフ)に臨みます」と、前を向いた。
 次節は、今季初めての秩父宮登場だ。
 グリーンロケッツは、「聖地」で今季初めての雄叫びを上げることができるのか。
 サポーターは、その瞬間を待ち焦がれている。






 入社3年目の今季、単独でキャプテンを任された。
 共同主将だった昨季から数えれば、2年連続だ。
 それなのに勝ち星に恵まれず、試合後には厳しい表情で記者会見場に足を運ぶ日々が続いている。帝京大学時代には8連覇を達成したチームのキャプテンを務め、期待されるリーダー候補としてグリーンロケッツに入団。期待通り、リーダーシップを発揮しているのだが、結果がなかなかついてこないのだ。
「大学のときは勝ち続けているチームのキャプテンでしたが、今は1つの勝利をつかむのに苦しんでいます。だから、キャプテンとしてチームメイトにかける言葉も決して同じではないし、いろいろと考えます。でも、それも、僕自身のためになる経験だと思っています。FLというポジション柄、僕は試合中にゲームをコントロールする役割ではないので、根底にある部分もそれほど変わっていません。試合で自分のパフォーマンスをしっかり発揮し続けること。それが、一番大切だと思っています」
 それでも、第3節では記者会見場で思わず悔し涙を流す場面もあった。
 辛くはないのだろうか。
「辛い……と口で言うのは簡単ですが、連敗という辛さに耐えるのがキャプテンの責任ですし、トップリーグのキャプテンは、どのチームでもみんなそれぞれ悩みを抱えていると思います。だから、自分が特別に辛いとは考えていません」
 こういうことを、負けた試合のあとでさらりと口にできるところが、亀井のリーダーたる所以なのである。
 自身のプレー面でも、今、スキルアップを目指している部分がある。
 それがタックルだ。
 低く鋭いタックルが持ち味の亀井が、第4節のサントリーサンゴリアス戦でタックルに入った際に頭部を強打。そのままピッチを去って検査を受けた。幸い重傷ではなく、休養週を挟んだことで、三菱重工相模原ダイナボアーズ戦で復帰できたが、その間も、いろいろと考えることがあったと言う。
「あとで映像で確認したのですが、タックルに低く入り過ぎていました。トップリーグに外国人選手が増えてきて、なかなか一発で倒すのが難しくなっていますが、やはり気持ちだけではダメですね。だから、周りの選手を使いながら、自分が上手くタックルに入れるような間合いやポジショニングをもっと磨きたい。そんなタックルのスキルが本当に大切だと痛感しました。今は、チームにもジャック・ラムやサム・ヘンウッドのようなお手本にできる選手がいるし、リーグ全体で見れば、お手本になる選手はたくさんいる。だからこそ、自分のスキルを磨いてパフォーマンスを上げながら、チームを勝利に導きたいと考えているんです」
 もう1つの理由も、スキルアップを決意した背景にはある。大阪で行なわれたサントリー戦は、亀井の地元での試合。観戦に訪れた両親の前での出来事だった。
「久しぶりに母親に心配をかけてしまいました。それで考えたのが、ラグビーはもちろん好きだし大切ですが、生死までかけてやるものではないということ。そのことを改めて痛感しました。だからこそ、タックルのスキルを向上させたいのです。それに、チームにとっても、キャプテンがグラウンドで倒れてはダメだと思うので(笑)」
勝利を得られないことで、試合に出られないノン・メンバーの選手をはじめ、会社の上司やスタッフを「淋しい気持ち」にさせていることも、亀井の頭から離れない。
「そこが一番申し訳なく思っているところです。職場では『頑張れ』という声も、よくかけていただきますが、僕たちが頑張るのは当たり前のこと。だからこそ、そういう人たちのためにも勝って、NECというチームをもっと多くの人に知ってもらいたい。それがなによりの恩返しだと思います」
 そのためにも、次節のリコーブラックラムズ戦(22日 秩父宮ラグビー場 11時30分キックオフ)での必勝を期す。
「今季はまだ勝ちがありませんが、だからといってすべてをダメだと否定してしまうと次に進めない。良かった部分も少しずつで出てきているので、それをチームでしっかり認識したい。みんなの力をチームとしての力にまとめて発揮できていないのは、キャプテンとしての僕の力量がまだまだ足りない部分があるからだと思いますが、まずは1つ勝つことに集中します!」
 キャプテンとして苦悩のシーズンを歩む亀井の、新たな決意である。
 
(取材・文:永田洋光)
 

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グリーンロケッツ

vs

リコーブラックラムズ

NECグリーンロケッツ

リコー

12 0 - 12 26
12 14
T G PG DG   T G PG DG
0 0 0 0 2 1 0 0
2 1 0 0 2 2 0 0
2 1 0 0 4 3 0 0

2020/02/22 11:30

東京・秩父宮ラグビー場

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