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2020/01/20

試合レポート

■勝負を分けた、イージーなミス! グリーンロケッツ、1ポイントも取れずに日野に敗れる

 日野レッドドルフィンズ戦を一言で言い表せば「もやもや」という言葉になる。
 前節に続いて相手に得点で常に先行を許し、スコアの上で一度も主導権を握れない。
 前節ではトライ後のコンバージョンが、今節の日野戦では要所でのPGが、それぞれ決まらなかったことも響いたが、テンポのいいアタックで連続してトライを奪うことができず、結果として相手の防御に「勇気を与える」アタックに終わっている。
 見ているファンが「もやもや」するような試合が続いているのだ。
 頻出するアタックでのミスについて、亀井亮依キャプテンはこう厳しく戒める。
「それぞれのボールキャリアの責任も含めて、各自がスキルを実行するのにあたって、練習の段階からもっと厳しくやっていかないと、勝てる試合につながらない。課題は多いですが、しっかりと見つめて修正していきたい」
 ミスは、ラグビーの試合では必ず起こる。
 ただ、ミスが起こった直後に全員が素早く反応して、大事に至らないのが勝てるチームの特徴だ。現在のグリーンロケッツは、逆にミスが大切な場面で出て、結果として勝敗を分けるようなプレーにつながっている。
 たとえば前半14分、0-3とリードされたグリーンロケッツは、SOティム・オマリーのPG失敗後のドロップアウトからカウンターアタックを仕掛けてFB宮島裕之が大きく突破。ラックで日野の反則を誘い、CTB松浦康一がWTB吉廣広征にキックパス。ここでボールを失いそうになったが、ペナルティに戻って日野陣22メートルラインを越えてラインアウトのチャンスをつかんだ。



 しかし、このラインアウトでサインミス。
 ジャンパーが跳ぶタイミングが遅れてボールが頭上を通過。日野にボールを奪われて、ハーフウェイライン付近まで戻される。さらに、続くスクラムでも反則を取られて、自陣に攻め込まれる。ここはLOサム・ジェフリーズが上手くラインアウトのボールを妨害してピンチを防ぐが、その直後にSH木村友憲がタッチを狙ったキックがタッチラインを割らない。
 ピンチを脱出→ラインアウトのディフェンスから仕切り直しというリズムを作れず、日野WTBチャンス・ペニーに個人技で防御を突破され、CTBマリティノ・ネマニが戻ってなんとか倒したものの、オフロードをつながれて、LOディネスバラン・クリシュナンにトライを奪われた。
 これでスコアは0-10。ミスの連鎖が高くついたのだ。
 続くリスタートのキックオフでは、WTB飯山竜太が、相手がこぼしたボールを拾って大きくゲイン。チャンスを作り出すが、ここでも攻撃のテンポが遅く、ラインにボールが回ったところでノックオン。結果は、26分に日野のPGに結びついて、追いかける点差が13点に開いた。
 頻出するハンドリングエラーは、個々のスキルの問題というよりも、アタックのテンポが悪く、静止した状態で相手防御の圧力を正面から浴び続けることにも原因がありそうだ。この試合、ネマニを筆頭に、パワフルなランナーが並びながら、彼らがトップスピードで走り込んだところにパスがくるような場面は、ほとんど見られなかった。



 グリーンロケッツが反撃に出たのは、リスタートのキックオフリターンからだ。
 ハーフウェイライン付近まで前進し、亀井がボールを持つ。そこに、日野LOリアキ・モリがハイタックルを見舞ってアドバンテージが出る。
 30分にオマリーがPGを決めて、まず3点を返した。
 前半終了直前には、連続攻撃からPR前島利明が突破。日野防御の真ん中を大きく食い破って、この試合初めてのチャンスを生み出した。
 そして、ゴール前のラックからPR瀧澤直→ジェフリーズとパスがつながり、さらに外側に松浦と吉廣がオーバーラップ。完全にトライの形ができあがった。
 ここで日野のペニーが、ジェフリーズのラストパスをはたき落としてインテンショナルノックオン。ペニーにイエローカードが出された上に、TMOでパスが通っていればトライの可能性が高かったと確認されて、グリーンロケッツがペナルティトライを獲得。
 スコアを10-13と追い上げて、ハーフタイムを迎えた。



 後半、グリーンロケッツは風上に立つ。しかも、開始から10分間は、日野が1人少ない状態だ。
 しかし、この絶好の10分間を活かせない。
 5分には、スクラムでフリーキックを得て、ふたたびスクラムを選択。しかし、このとき瀧澤の足下が滑ってコラプシングを取られてしまう。
 浅野良太ヘッドコーチ(HC)が、この場面をこう振り返った。
「瀧澤と前島はどちらもFL並みに機動力がある選手。その持ち味を活かすために、瀧澤を3番に入れました。スクラムを組む力は、トップリーグで十分に使えるという見立てでした。ただ、この場面で、相手FWが7人の状況で最初にフリーキックを得たにもかかわらず、次のスクラムでペナルティを取られた。選択は間違っていないと思いますが、この1本が試合の肝になりましたね」
 瀧澤は「足が滑ったというか……滑るように(相手に)組まされたというか……」と苦笑しながら、「今日は前島がいいスクラムを組んでいました。自分自身としては、要所で上手く組めなかった」と振り返った。
 前節の宗像サニックスブルース戦でも、先発は瀧澤が1番、土井貴弘が3番という布陣だったが、後半に前島がピッチに入ると、瀧澤が3番に回っていた。田中光の負傷もあっての、瀧澤の3番起用について、スクラムをリードするHO川村慎は、こう話す。
「タッキーさん(瀧澤)が3番をやり始めたのは最近のこと。今日は、トイメンの久富(雄一)さんがいろいろ駆け引きを仕掛けてくるのはわかっていたので、素直なスクラムにはならないかも……と思っていましたが、組んでいる感じでは行けそうな手応えでした。
 大事なところでスリップして反則を取られましたが、このまま組み込めばタッキーさんの3番でいけると思いますし、今日は前島も、ヒットや姿勢がすごく良かったと思います。
 ただ、先週もそうでしたが、スクラムはレフェリングに左右される部分があります。だからこそ、僕たちもわかりやすいスクラムを組むよう心がけなければならない。1つ1つの判定に一喜一憂しないで、チームのストラクチャーに基づいて、プロセスをしっかりやろうと思います。イメージとしては、悪くないのですが……」
 練習で3番の瀧澤と組む前島もこう話す。
「タッキーさんは、トイメンとして組むと、土井さんとはまた違う、ずしっとした重さがあります(笑)。
今日の試合は、相手が揺さぶってきても付き合わずに、自分たちのスクラムを組むことにフォーカスしました。ある程度はできたと思いますが、でも、結果が出ないので苦しいですね……」
 かくしてグリーンロケッツはこの10分間を無得点で終えた。
 亀井キャプテンが、悔しさをかみ殺して振り返る。
「後半は風上で、相手がシンビンで14人だったにもかかわらず、そこでスコアを積むことができなかった。逆に、相手に先にトライを奪われて、さらに追う展開となってしまいました」



 しかし、結果的にこのペナルティも響いたが、勝負に影響したのはもっと雑なミスだった。
 たとえば、10分には、日野陣のラインアウトでLOサナイラ・ワクァが前に走り込み、スローインを受けて突破。しかし、右に待つ川村に返すパスが雑で、ボールはそのままタッチラインを割ってしまう。リスクの高いプレーを選択すべき状況ではないはずなのに、確実にアタックを継続する選択肢を選ばず、相手にボールをプレゼントしてしまったのだ。
 後半14分に、グリーンロケッツは日野に2つめのトライを許して10-20と引き離されたが、この遠因となったのも、FLサム・ヘンウッドが、自陣でボールを回していたにもかかわらず、タックルされたところで無理なオフロードをして、日野のモリにボールを拾われ、結果的にキャリバックに追い込まれたことだった。
 さらに、後半29分にオマリーがトライを返し、コンバージョンを決めて17-20と追い上げた直後にもミスが起こった。
 日野のリスタートのキックオフを捕ったヘンウッドが前進。ラックに持ち込んで左に展開する。
 この試合で何度もなかったほどいいテンポでボールは左に回り、大きなチャンスに膨らみそうな予感がした。
 ところが、ここでネマニからパスを受けたワクァがボールをポロリと落としてしまうのだ。
 亀井キャプテンが、「最後に3点差に追い上げたところで、キックオフからのアタックでミスが出たのが勝敗を分けた」と、悔やんだ場面だ。
 日野は、ここからフェイズを重ねて、最後はNO8堀江恭佑がトライを奪い、ふたたび10点差として勝負を決めた。
 イージーなミスが、いかに高くつくかを痛感させられた試合だった。
 ミスが起こるのはラグビーではよくあること。しかし、そんなミスを致命傷にしないような意識が、今のグリーンロケッツには希薄に感じられる。
「みんながもっとワンプレーの重さについて意識を高く持つようにしたい」
 連敗スタートに、沈みがちな気持ちを奮い立たせるように、亀井キャプテンが絞り出した言葉がこれだ。
 ミスを致命傷にしない意識の高さを、グリーンロケッツは取り戻せるのか。
 次戦は、横浜に移動して、ニッパツ三ツ沢球技場でのキヤノンイーグルス戦(26日 13時キックオフ)だ。






 昨季のカードの累積で、今季は春のトップリーグカップから6試合の出場停止処分を受けた。
 日野レッドドルフィンズ戦は、そんなマリティノ・ネマニにとって、待ち焦がれた公式戦への復帰だった。しかも、出場停止処分を受けたにもかかわらず、浅野良太ヘッドコーチは、規律を守ることを徹底した上でバイスキャプテンに任命した。これで意気に感じないはずがない。
 ネマニは必勝を期してピッチに立った。
 しかし――。
 結果は無情にも日野レッドドルフィンズに17-27と敗れ、7点差以内負けのボーナスポイントすら獲得できなかった。
「サスペンション(出場停止)明けというのは特に意識しなかった。いつものように勝つつもりで試合に臨んだし、今節は前節で負けているから特に勝ちたい気持ちが強かった。でも、タフな結果になったね。まあ、まだシーズンは長いから、1つ1つ修正していきたい」
 ボールを持てば縦横無尽といったイメージが強かったネマニが、この試合では、あまり目立たなかった。いや、確かにボールを持てば数メートル単位で前に出てチームに貢献していたのだが、胸の空くようなラインブレイクは不発に終わった。
「うん、チームのために、いつも積極的に走りたいと思っているけれども、今日は少し難しいことをやり過ぎたね。もっとシンプルにボールキャリアを活かすような戦い方にすべきだった」
 この試合、10番を背負ったのが、グリーンロケッツでは公式戦初出場となるティム・オマリーだ。そんなオマリーをサポートするためにも、試合中は積極的に声をかけた。
「キックが多かったから、もっと、どんどんボールをキャリーしようと声をかけた。そのための強い選手がチームにはいるからね。でも、切替えがなかなか上手くいかなかった」
 そんな苦しいゲームのなかで、ネマニが変わったことを印象づける場面があった。
 前半21分、日野のWTBチャンス・ペニーがカウンターアタックから抜け出したときに、しっかり駆け戻って一撃で倒した。残念ながらそのままオフロードパスをつながれて日野のトライに結びついたが、昨季はこうした場面で、あわててタックルに入るあまり、高くタックルに入ってカードをもらう場面が多かった。それが、しっかりと腰を直撃して地に這わせたのだ。
「確かに昨季は、ハイタックルで反則を取られることが多かった。だから、これまでタックルのテクニックを磨いてきた。ディフェンスのシステムも少し変えた。そうした細かいところを修正することで、規律を改善しようとしているんだ。特に、タックル練習の成果は、規律の部分に現われていると思う」
 それも、バイスキャプテンというポジションのなせる業だ。
「今季が僕にとっては3シーズン目。リーダーとして良いお手本になるようにと、浅野HCからも言われているし、自分でもそう考えている。僕はいつもチームファーストに徹しているけれども、今季は規律がキーポイントになると思っているんだ」
 ようやく復帰を果たしたにもかかわらず、チームは黒星スタート。だからこそ、次節のキヤノンイーグルス戦には、高いモチベーションを持っている。
「とにかく、チームのために自分の強みを発揮したい。ボールキャリーはもちろん、ディフェンスでも貢献したい。チームの一員として、自分に与えられた役割をまず果たすこと。それが僕に求められていることだと思うから」
 そんなネマニの、少なくなった「課題」が「日本語」だ。
 状況が動く試合のなかで、日本人選手と的確に意図を伝え合うためのコミュニケーションスキル、イコール日本語の勉強なのである。
「うん、それはまだ少し……」
 このときだけは、バイスキャプテンの顔に、少しはにかんだような笑みが浮かんだ。
 
(取材・文:永田洋光)
 

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