東芝ブレイブルーパスに力負けも、夏合宿へ収穫!あびこラグビーフェスタ2010で、NECグリーンロケッツ、ファンに“やる気”を大サービス

info_category3.gif2010/06/28



 午前9時のラグビースクール交流試合から始まったあびこラグビーフェスタ2010は、10時間以上経った午後7時30分過ぎに、NECグリーンロケッツの選手たち全員が2列になって花道を作り、来場したファンを見送って幕を閉じた。
 見送りを終えて列から離れたキャプテンのニリ・ラトゥは、少しホッとした表情で一日を振り返り、日本のチームのキャプテンを務めることについてこう言った。
「トップ4にならなければならないというプレッシャーはちょっと感じます(笑)。でも、とても光栄なことだと思う。チームは去年の経験を経て、力強く積極的になってきたし、今日東芝ブレイブルーパスと試合をしたことで、さらに多くのことを学べた。秋には本当に自信を持って東芝に挑戦することができると思う」
 そう。
 あびこラグビーフェスタというファンとの交流の場は、すなわち今のグリーンロケッツがどんな状態にあるかを明らかにする“所信表明”の場でもあった。
 だから、お祭りのメーン・イベントは、午後3時にキックオフされた、東芝との40分×3本のガチンコのオープン戦だった。


 
 ▲チアの花道で入場                       ▲2トライをあげたシュウペリ選手 


 グリーンロケッツのキックオフで始まった前半は、ボールを支配して攻める東芝と懸命に守ってはターンオーバーから切り返すグリーンロケッツという、公式戦と同じ図式で推移した。
 立ち上がりの10分間を自陣に釘付けにされたグリーンロケッツは、11分に自陣深くで相手ボールを奪うと、右WTB山本秀文が相手陣へとキックを蹴り込んで反撃開始。NO.8ニリがラックから突進し、そのボールをさらにFL玄成哲が拾って突進する。しかし、ゴール前に迫った仕留めのアタックで東芝にボールを奪われた。
 一転して見舞われたピンチに、グリーンロケッツはCTBシュウペリ・ロコツイがよく戻って守り、その後の東芝の連続攻撃にも低いタックルで対抗。相手のノックオンを誘って、ことなきを得た。
 この15分間の攻防で両チームの試合にかける意気込みが、グラウンドを取り囲んだファンにも伝わった。
 選手たちの荒い息づかい。
 飛び散る汗。
 肉体と肉体が激突する衝撃音。
 公式戦が行われる会場ではなかなか味わえない臨場感に、それまでのお祭りムードが一転して真剣勝負の息を呑むような静けさに変わる。
 高温多湿の気象条件に20分で原田隆司レフェリーがウォーターブレイクを入れたが、0─0の試合展開にそれまで息を止めて見守ってきたファンは、ようやく止めていた息を吐くことができた。どんなイベントよりも、この迫力がラグビーの魅力を伝えていたのは確かなことだった。
 ゲーム再開後も一進一退の攻防が続く。
 自陣ゴール前で東芝のモール攻撃をしのいだグリーンロケッツは、26分、SH藤戸恭平が敵陣にボールを蹴り込む。これを山本が忠実に追走してプレッシャーをかけ、東芝がボール・コントロールを失うところをニリがターンオーバー。一気の連続攻撃から、この試合でSOに入ったブライス・ロビンスが、ロコツイとのホットラインでトライを奪いに行く。


 ▲帰国直後の土佐選手も出場


 しかし、パスが通らなかったところを東芝SH三井大祐に拾われて、一転してゴール前へと攻め込まれる。そして31分、東芝HO猪口拓がトライを挙げて、ようやくスコアボードが動いた(ゴール成功)。猪口は前半終了間際にもトライを奪い、こちらはゴールが決まらなかったが、0─12で最初の40分を終えた。
 続く40分は一転してトライの取り合いになった。
 ホームで負けられないグリーンロケッツは、ニリの突破からチャンスをつかみ、東芝ゴール前の密集からロコツイが飛び込んでトライを返し、ロビンスがゴールを決めて追撃開始。さらに2分後には、スクラムからロビンスとロコツイのサインプレーが決まってふたたびロコツイがトライを奪い、こちらもゴールが決まって14─12と逆転。
 18分には、ホンダヒートから今季東芝に移籍したLOウォーレン・スミスにトライを奪われ、14─19と逆転されるが、ウォーターブレイク直後の23分にニリがトライを奪って同点に追いつく。
 前年度チャンピオンの東芝相手に一歩も引かないグリーンロケッツに、会場のサポーターから大きな拍手が送られた。
 しかし、後半立ち上がりからハイペースで攻め続けた反動が、残り10分となったところでグリーンロケッツにやってきた。30分、37分とトライ(ゴール)を奪われて、この40分だけのスコアでも19─21とされ、前の40分と合わせて19─33とさらに点差を離された。
 3本目の40分は、グリーンロケッツが何度も東芝ゴール前に迫りながらもトライを奪えず、逆に東芝のカウンター・アタックに3トライを献上する展開。終了間際に1トライを返したものの、結局120分間のトータルで26─52と悔しい敗戦となった。

 
 ▲キャプテンのニリ選手も攻守に貢献            ▲フルバックで出場の窪田選手


 試合後、岡村要ヘッドコーチが言った。
「今日の試合で一番こだわろうと話し合った一人目のタックルが決まらなくて、東芝に得意の立ってつなぐラグビーをやられてしまった。こだわろうとしたことができなかったのが、大きな反省点です。でも、プラス材料もあった。これまでオープン戦でモールを押せたので自信を持っていたけど、東芝を相手にすると上には上があることがわかった。個人のレベルも、もっともっと上げないと東芝には通用しない。これらは夏合宿に向けてのいい刺激になるでしょう。
 今季のチームは、昨季の経験でどう戦えばいいかわかっている。ニリ主将以下、“闘”をテーマにアグレッシブに戦う雰囲気にもなってきた。だから、あとはチーム内でもっと切磋琢磨して、精度を上げること。そうやって、強いチームと対戦する前半節を乗り切りたいですね」
 ニリもやはり精度を問題にした。
「せっかくいいトライを3つ取れたのに、ミスからそれ以上のトライを取られている。ディフェンスでもアタックでもミスをなくして、さらに強いディフェンスを築きたい」
 それでも、客観的に見て収穫の多い試合だった。
 何よりも合宿前に本気のゲームを体験し、本気で挑んで敗れた故の悔しさを経験できたのは、サッカーの岡田ジャパンの例を引くまでもなく、今後のプラス材料だろう。
 試合を終えた疲れも見せずに気を取り直してファン・サービスに戻った選手たちが、恒例のショータイムのあとで、全員でファンに直接東芝への雪辱を誓ったことも頼もしい。
 勝つことへの渇望と執念。
 “ミラクル10”に挑んだ昨シーズン終盤の姿勢と気持ちを維持したまま、グリーンロケッツはシーズンに臨む。
 そんな決意に触れられたことが、ファンにとっても、何よりの大きな“サービス”だった。

取材・文:永田洋光



 



▲2016年のオリンピックから正式採用された男女7人制ラグビー (江戸川レディースvs世田谷レディース)


▲ラグビースクール交流戦
  (あびこRS対柏RS) 
    
▲中学生の交流戦
  (千葉ウエストブルース対ブレイブルーパスJr) 


 
 ▲ミズノチャレンジ「流通経済柏対国学院久我山」


▲フェスタ限定メニュー販売(松尾の華麗なトマトカレー、土井のハンバーグとチキンのスクラム丼)


▲子供に大人気だったミニSL 
 
▲今季新加入のツイタヴァキ選手もタグコーナーに参加 



▲地元我孫子の農産物や加工品の販売も
  おこなわれました 
 
▲抽選会は豪華賞品がたくさん
  (プレゼンターは釜池選手) 

  
  

 ▲携帯ベストショット賞受賞者との記念撮影

  


▲ペモリ(シュウペリ)と青年隊(アン・パク) 
 
▲今年もやってきた森の妖精(イノス イン ワンダーランド) 



 ▲パフォーマンスの先陣は中堅(4-6年目)メンバーが担当



 ▲2番目に登場は完成された演技を披露したベテラン組み(7年目以上)

 


 ▲ダンスの締めは怖い物知らずの若手チーム(1-3年目)


写真:我孫子市ラグビーフットボール協会 田中 秀樹