• トップ
  • インフォメーション
  • ■共同キャプテン・シーズン総括対談■ 森田洋介×亀井亮依 「上位進出はならなかったけど、ポジティブな感覚を持てたシーズンだった!」

■共同キャプテン・シーズン総括対談■ 森田洋介×亀井亮依 「上位進出はならなかったけど、ポジティブな感覚を持てたシーズンだった!」

2018/12/21

――1年間、共同キャプテンという形でチームを引っ張ってきて、今季のトップリーグ10位という結果をどう受け止めていますか。
 

森田洋介(以下、森田) シーズン前は「トップ4を狙う」と話しましたが、結果は下位の総合順位決定トーナメントに進むことになってしまい、そこでもホンダヒートに敗れて10位になりました。その点は残念だし、申し訳なく思います。一番大事にしていた開幕戦で、豊田自動織機シャトルズに8-9と1点差で敗れたことが最後まで響きました。大きな悔いが残っています。
 ただ、手応えとしては、例年に比べてチームのレベルが上がったと思います。10位よりもっと上位に行ける力がついたと思いますし、若手からの突き上げもあってチーム内が活性化しました。キャプテンとしてではなく、客観的に見ても、すごくいいチームになったと感じています。
 キャプテンとしては、ほぼ亀井に“お任せ”で(笑)、特別に意識したことはありません。
 メンバー発表で亀井が先発に入ったときには僕がバイスキャプテン的な位置づけになって、亀井がメンバーから外れたときに僕がメンバーに入っていれば、僕がゲームキャプテンになるという役割分担でした。今季は亀井が先発することが多かったので、必然的に僕がキャプテンを務めるケースは少なく、負荷もあまりかかりませんでした。
 シーズンが深まるにつれて、チームの考えがだんだんシンプルになってきたので、キャプテンとして話すこともそれにつれて少なくなりました。同じことを何度も繰り返すのは時間のムダですし、亀井がスピーチのなかで自分の言いたいことを言ってくれたら、そこに付け加えて発言する必要もない――そういう立ち位置です。それが良かったのかどうかわかりませんが、僕が特別なリーダーシップを発揮したような場面はなかったですね(笑)。

亀井亮依(以下、亀井) 10位という結果は、自分たちが目指したところではなかった――それが、キャプテンとして、まず悔しく思う部分です。
 ただ、試合に向かう準備段階では、今季はポジティブな感覚がありました。
 レギュラーシーズンが7試合と非常に短かったので、チームとしての成熟度が早く求められたのですが、そこで開幕戦を落としたにもかかわらず、這いつくばってでも頑張り、上位トーナメントに行こうとチームがだんだん成熟していくのが目に見えてわかりました。
 昨季はピーター(・ラッセル ヘッドコーチ)さんがメインになってチームの方向性を決めていましたが、今季はバックスにビーバー(スティーブン・ドナルド)が入って、もっとシンプルに全員がわかりやすい形でチームの方向性をまとめてくれた。それも、非常に良かったと思います。
 本来ならば、そういうことが開幕戦のときにできていなければならなかった、というのは、今の反省ですが……。


――今季は、6月にスーパーラグビーのワラターズを破るなど、準備段階から順調でした。ラッセル ヘッドコーチも開幕前にはかなり自信を持っていたように見えました。そうした「今季は行ける!」という手応えが、開幕戦のときには、逆にプレッシャーに感じられたのではありませんか。


亀井 それよりも、チーム全体の雰囲気が、豊田自動織機が相手ということを意識し過ぎていたのかもしれませんね。ピーターさんがどう考えていたのかはわかりませんし、過信があったとも思ってはいませんが……。

森田 でも、シーズンが短いので開幕戦を落としたらマズいという意識は全員にありましたね。僕自身、少しガチガチになりました。
 僕は、プレシーズンはSOでプレーしていて、ビーバーがSOのときにCTBをやっていなかった。それが、ただでさえ共同キャプテンとして臨む初めての開幕戦で、しかもシーズンが短いから絶対に落とせない、と緊張する要素が多いなかで、いきなり組むことになってしまった。
しかも、1年半ぶりにCTBとしてプレーするのに、いっしょに組むのが新加入のビーバーで、おまけに元オールブラックス――といったことが重なって、ものすごいプレッシャーがありました。どう対処すればいいのか、開幕戦当日まで答えが出ないまま臨んだ感じでした。
 シーズンが深まった今は、ビーバーと組むことにフィットしてきましたが、開幕戦の時点では、正直に言えばCTBとしてフィットしていなかった。選手である以上、そういう状況でもベストのプレーをしないといけないのですが、その辺りも開幕戦の敗因かもしれません。
 それから、開幕戦の1週間前にサントリーサンゴリアスと練習試合をしたとき、廣澤(拓)さんが負傷して開幕戦に出場できなくなった。それも、けっこう大きかったですね。


 

■シーズンの転機となったサントリー戦

 

――確かに開幕戦の黒星発進はショックだったと思いますが、そこからチームはレッドカンファレンスの4位争いをするところまで盛り返しました。その要因は何だったと思いますか。


森田 反則が多いという課題が出たのですが、まず反則を減らそうとフォーカスしました。そうやって1つのことにフォーカスしたのが、いいきっかけになったように思います。
 なぜ反則が多かったかというと、開幕当時はレフェリーに対する文句が多かった(笑)。それで心証を悪くした部分が大きかったと思います。だから、規律を守るのは当然ですが、それに加えてレフェリーの判断に従うところにフォーカスしました。第3節くらいまではそうでしたね。
 そうやって反則数が減るにつれて、少しずつチームに結果がついてきました。レフェリーとのコミュニケーションも改善されて、チームに対する印象も変わってきました。
 もちろん、亀井が細かくレフェリーと話したり、僕も、ゲームキャプテンを務める試合では、試合前に「今、ラインオフサイドを減らすように注意を払っていますので、そこを見てください」と要望を出したりしました。もともとチーム全員がマジメですから、規律を守る意識も強くなって、それがいい方向に進むきっかけになったと思います。

亀井 でも、確かにみんなレフェリーに文句を言わなくなりましたが、その分、外国人選手や日本人の先輩たちが「これをレフェリーに伝えろ!」と、僕に言ってくるようになりました(笑)。
 ただ、いくらチームメイトからそう言われても、レフェリーに「こうではないのですか?」と質問する以上、こちらがクリーンにプレーしていることが前提になります。その点で、みんなの要望との板挟みになることがありました。でも、取り組んだ成果は着実に出ていましたね。
 もう1つ転機となったのが、第4節のサントリー戦でした。
 あの試合は、試合開始のキックオフから13分間で4トライを奪われて、いきなり0-26と大きく引き離されたのですが、そこから巻き返した(最終スコアは31-47)。昨季のチャンピオンチームに対しても、自分たちがボールをキープしてアタックすればトライを取れると自信を持てた試合でした。ボールをキープしてアタックし続ければディフェンスする時間も必然的に短くなって、反則も少なくなります。負けはしましたが、感覚的に手応えをつかめた試合でした。

森田 確かに4トライ取られた時間帯は、まったくボールを持てなかった。だから、みんなに「まず自分たちでボールをキープしよう」と声をかけました。
 それから、サントリーに対して早く間合いを詰めるディフェンスを練習してきたのですが、それがまったくできていなかった。だから、「外側で抜かれてもいいから、練習を信じて、とにかく前に出よう」と意思を統一しました。やることを絞って、それだけに集中するようにしたのです。
 あとは、ビーバーが熱くみんなをまとめてくれて、上手くゲームを作ってくれました。



亀井 うん、その結果が、第5節のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦の勝利につながったと思います。
 ただ、僕はNTTコム戦だけがメンバー外でした(苦笑)。
 キャプテンをやる上では、試合に出る出ないにかかわらず、やらなければならないことは変わらないのですが、個人的にはキャプテンである以上、試合に常に出ていなければ説得力がないと考えていました。試合に出ないのに、先輩たちに対してああだこうだ言うわけにもいかないし。だから、あのNTTコム戦の前は精神的に葛藤していましたね(笑)。
 コーチからは「(背の)高さが必要だから」と外れた理由を告げられましたが、実は昨季も同じ理由でメンバーから外れたことがあって、心のなかで「またそれか!」と思う部分もありました。
キャプテンを引き受けた以上、そういう個人の思いを外に出してはいけないし、試合に出る出ないで、ふるまいが変わってはダメなのですが……。

森田 まあ、人間だから難しいよね。まだ若いし(笑)。

亀井 結局、次の日野レッドドルフィンズ戦からメンバーに戻りましたけどね。

 

■1月のトップリーグカップ順位決定戦は今季の集大成であり、来季への出発点

 

――その後、神戸製鋼コベルコスティーラーズには敗れましたが、11月のトップリーグカップで、チームは若手を起用して戦い、かなりの収穫を得たと思います。チームがいいムードになったのは、その辺りからですか。


亀井 成績は1勝2敗でしたが、チームの総合力を伸ばすために若手を混ぜたメンバーで戦えたことは良かったと思います。チームがフォーカスしていたのは、トップリーグカップ終了後に控えていたコカ・コーラレッドスパークスとの総合順位決定トーナメント1回戦でした。その準備として考えると、いい1か月間でした。
ちょうど毎年シーズンが開幕する前に3試合程度プレシーズンマッチを戦うのと同じような形でしたから、来季の開幕戦に向けたシミュレーションと、とらえることもできるでしょうね。


――今季の結果を踏まえて、来季飛躍するためにはどういうことが必要ですか。


森田 いろいろあるので、難しいですね(笑)。
 個人的には、バックスのアタック力を伸ばすことだと考えています。
 今季、FWは強化が実って、セットプレーがすごく良くなった。どこと試合をしても、それほどひけを取らなかったと思います。
 むしろ、強い相手と戦ったときに一番違いを感じたのが、バックスの上手さでした。
 特に優勝した神戸製鋼は、ダン・カーターやアダム・アシュリークーパーといった世界的な選手がいるだけでなく、バックスとして上手かった。たとえば、自分たちが仕掛けるサインプレーは必ず成功させていましたからね。他にも、サントリーにはバックスで崩されましたし、NTTコムも、トヨタ自動車ヴェルブリッツも、強いチームはバックスが上手かった。
 どこも上位トーナメントに進出していますが、そういう一角に食い込むためには、駆け引きも含めてアタック力を磨き、バックスが成長する必要があります。また、成長しないと、なかなか差を詰められないでしょうね。

亀井 あとは、ゲームの肝となるような状況で、全員がやるべきことをきちんとできるようになることですね。
 上位のチームに総力を挙げて戦うのはもちろんですが、自分たちと同格のチームに対しても同じマインドセットで臨めるようにしないと、豊田自動織機戦やホンダ戦のようなことがまた起こる。準備段階からしっかりしたマインドセットを持つことが大切だと思います。
 試合のなかの具体的な話で言えば、ホンダ戦では、ノックオンをしたときに相手にボールを拾われてピンチになる場面が多かったのですが、これは、落としたときに自分でボールを押さえに行けば防げました。それなのに、そういうちょっとしたところをきちんとできずに、ホンダにチャンスを与えてしまった。相手の強いランナーを、ディフェンスでしっかり止められていただけに、そこが悔やまれます。
 今季、競り負けた試合は、そうしたちょっとした差が勝敗を分けたので、来季はそういう部分を徹底的に直したい。そして、そのための最初のステップが、1月13日の豊田自動織機戦(パロマ瑞穂ラグビー場 11時30分キックオフ)になると思います。

森田 カップ戦は、若手も起用しての総力戦ですが、そこでチームとしての力をフルに発揮して2勝したいですね。
 今、誰がメンバーに起用されても、同じNECのラグビーができるようにチームを強化しているので、トップリーグの出場経験が少ないメンバーを、経験のあるメンバーが引っ張り上げて、総合力で勝ちたいですね。

亀井 勝つこともそうですが、今季の集大成となるようなラグビーをしたい。
 同時に、来季につながる試合でもあるので、自分たちの強みがどこにあるのか、全員が確認できるようなラグビーをしたいですね。
 1月の2試合は、今季の集大成であると同時に、来季へのスタートでもあるので、みなさまの熱い応援を期待しています!

 
 
 

アーカイブ