【グリーンロケッツ新人選手座談会】前編「新社会人の戸惑い」編

info_category3.gif2018/05/29

毎年恒例の新人選手座談会。
前編は、NEC入社に至った経緯と、新社会人としての豊富や戸惑いを語った「新社会人の戸惑い」編。4者4様の個性が随所に顔を覗かせるやりとりをお楽しみください!


 
選手名 ポジション 身長/体重 出身
足立匠
(あだちたくみ)
PR 180cm/124kg 流通経済大学
亀山雄大
(かめやまゆうだい)
SO/CTB/WTB 170cm/78kg 筑波大学
横山陽介
(よこやまようすけ)
SO/FB 181cm/93kg 早稲田大学
中嶋大希
(なかじまだいき)
SH 171cm/80kg 流通経済大学


――なぜグリーンロケッツを選んだのか


足立匠(あだち・たくみ 以下足立)  流通経済大学出身で、ポジションはPRです。
 学生時代に、大学から距離が近いこともあって、NECグリーンロケッツと合同練習する機会が多くありました。そのときにグリーンロケッツの雰囲気がとても良くて、自分もこのチームでもっと高いレベルを目指したいと考えて入団しました。
 PRの先輩はベテランの方が多いのですが、みなさんの技術や細かいノウハウを学べるのでは、と思ったことも、入団を決めた理由です。大学時代は、合同練習で社会人の胸を借りるというより、自分たちの力で社会人のスクラムを叩き潰そうという気持ちの方が強く、真剣勝負で臨みましたが、そのなかでやり込められたりしながらも成果が得られました。特に、FW8人が1つにまとまって組むグリーンロケッツのスクラムが、強く印象に残りました。組んだ瞬間に、8人全員の重さを感じるようなスクラムでしたね。

亀山雄大(かめやま・ゆうだい 以下亀山)  筑波大学出身で、今はSO、CTB、WTBと、いろいろなポジションに挑戦しています。
 千葉県の佐倉高校出身で、子どもの頃からNECカップにずっと参加していました。そのなかで選手のみなさんとふれ合う機会も多く、自分の地元にもっとも近いチームということでグリーンロケッツに入団しました。
 兄(宏大)もグリーンロケッツに在籍していますが、その点はどちらかというと入社にあたっての「負の要因」でした(笑)。個人的には、兄と同じチームでプレーするよりも、対戦相手に入って戦いたい気持ちが強かった。結果的には、大学でも社会人でも同じチームでプレーすることになってしまいましたが。ただ、ポジションも違いますし、お互いに干渉しないようにしています。
 もちろん、グリーンロケッツについての情報は、兄からいろいろと聞きました。
 兄は事実を淡々と話すだけでしたが、個人的にはHCが外国人で、周りにも外国人選手が多くいる環境はどういうものか知りたかったので、その点はいろいろと質問しました。そのなかで、HCのピーター(・ラッセル)さんとコミュニケーションをとる機会が多いことや、外国人選手たちの実力が凄いということを教えてもらいました。そういう環境が自分のプラスになると思いました。
 僕は、代表チームや選抜チームに選ばれた経験があまりないのですが、今季共同キャプテンの亀井亮依さんは、学生時代からライバル校の主力選手として顔見知りでした。だから、入団したときに非常にコミュニケーションをとりやすかった。その点は助けられましたね。

横山陽介(よこやま・ようすけ 以下横山) 早稲田大学出身で、ポジションはSO、FBです。
 グリーンロケッツに入団しようと思ったのは、学生時代に膝の前十字靱帯を負傷したときに、リハビリテーションの最中に田村優さんと知り合ったことがきっかけでした。大学時代は、キックの蹴り方や練習方法、パスのコツを教わったり、プレー面でアドバイスをいただいて参考にしていました。結果的には田村さんと入れ違いになってしまい、個人的には、もっと田村さんから学びたかった気持ちはありますが、それも巡り合わせだと考えています。
 学生時代にも、周りの先輩たちからさまざまなことを学ぶ機会が多かったのですが、グリーンロケッツでも、新しい考え方や練習方法、スキルを教えてもらって、今は非常に刺激を受けています。特に、SOやFBというポジションは、チームの方向性を決めたり、引っ張るポジションなので、今はゲームプランをしっかり理解し、方向性を決められるようになりたいと考えています。
 今の時点では、まだグリーンロケッツのゲームプランやラグビーの特徴を理解できているわけではありませんが、これから理解を深めて、チームを引っ張っていけるようになりたいと考えています。

中嶋大希(なかじま・だいき 以下中嶋)  流通経済大学出身で、ポジションはSHです。
 私も足立と同じように、学生時代からグリーンロケッツと合同練習をする機会が多く、チームの環境の良さに惹かれていました。ポジション的にも、1年目からレギュラーを獲れる可能性があるのでは、と考えたことも入団するにあたって大きな要因となりました。
 現実的には、チームは3月から動いていますし、私たちは4月に研修で練習に参加する機会が限られていましたから、戦術面や、プレー中のコールも、今練習を重ねながら理解しているような状態です。一歩出遅れている感じですね。その意味では、早い段階でチームの特徴や戦術を理解して、プレーのなかで自分の持ち味を出せるようにしたいと考えています。


――大学時代との違い


中嶋  学生時代と一番違いを感じるのは栄養管理ですね。寮の食事が、きちんと栄養的に管理されていることに驚きました。
 生活面では、毎日一定のリズムで生活することに慣れるのが少し大変でした。学生時代は、朝練が終われば昼寝をすることもできたし、個人的には昼寝が大好きなのですが(笑)、社会人になるとそれができません。でも、そのかわりに生活が規則正しくなりました。朝早く起きて練習し、仕事に出かけて、夕方また練習する。そして、夜は早く寝る――そういう点は非常にいいと思います。まあ、ときどき昼休みに机に突っ伏して昼寝をすることもありますが(笑)。
 周りの先輩たちを見ていると、自分の体に対するケアが、学生とは比べものにならないくらいきちんとしています。それには驚きました。仕事と同様にラグビーにもプロフェッショナルな意識が感じられます。自分の体の良くない部分を入念にケアする姿勢は凄いですね。自分の責任で、体の具合が悪い部分をしっかり治すという意識が徹底しています。



横山  本当に個人で準備をしっかりやる部分が、大学と違いますね。練習後のストレッチや体のケアはもちろん、練習前に体を準備する部分でも個人個人で自分の体に合った準備を入念にしています。その点は、これから学ばなければならないと思います。
 今は、なるべく自分から「ここが痛いのですが、どうすればいいですか」と、トレーナーの方や先輩たちに質問するようにしています。みなさん、親切に教えてくれます。それを参考にしながら、たとえば1週間の過ごし方を自分なりに考えて、どうすれば自分の体をいい状態に保てるか。どういうリカバリーやケアをすれば、自分に合うか、試行錯誤している段階です。
 もともと僕はあまりそういうケアをしなかったのですが、学生時代に膝を負傷してから少しずつ考えるようになり、今はチーム全体からそういう姿勢が伝わってくるので、本当に「やらなければいけない」と強く思っています。
 ラグビーの面では、すべてのスキルをレベルアップしないといけないでしょうね。
 学生時代の負傷でゲームから離れていましたから感覚的な部分もまだまだですし、もっと上手くならないと試合に出られないでしょう。
 先日、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスとの合同練習がありましたが、そのときも、NTTコムに入った大学の先輩が、学生時代よりはるかに上手くなっているのを見て、全部をレベルアップしないと試合に出られないし、まして活躍することもできないと、改めて痛感しました。ラグビーをいつまで続けられるのかはわかりませんが、将来、現役を退いたときに後悔しないようにしっかりと体を作り直したいですね。



亀山  僕自身は、社会人になって初めてラグビーに集中できる環境に巡り会った、と思っています。高校や大学では、練習が始まる時間が遅かったですし、大学時代は練習後に自炊もしていたので、時間に追われている感覚でした。今は練習が15時から始まりますし、寮に戻って夕食をとってから、自由な時間が持てるのが嬉しいですね。
 それから、月給をもらえることで、自分の趣味にお金をかけられるようになったのも良かったことでした。もちろん、それだけの働きをしなければならないと考えていますが、プライベートな面では、それがけっこう大きいな、と思っています。以前は、お酒を飲みに行くときも、お金を気にして我慢していましたから(笑)。


 
足立  僕は栄養面の違いが大きいですね。
 学生時代も自分で栄養面に気を配っていたつもりでした。タンパク質を多く摂取するために、自己流でコストパフォーマンスの良い鶏の胸肉ばかり食べていたのですが、今は個人ではなくチームで気を配っていただいている。野菜や魚を食べることで栄養的にバランスが取れるようになりましたし、本当に質量とも360度変わった感じです。


亀山・横山・中嶋  それじゃ変わってないよ(笑)!

足立  あ、いや180度違っています!
 チームの先輩はみんなストイックなので、学べる部分がたくさんあります。先輩たちも、1年目の自分を気にかけて、オンのときもオフのときもいろいろと教えてくれる。その点ですごく助けられています。だからこそ、よけいに自ら向上心を持っていかないといけないと思いました。
 初月給もすごく嬉しくて、お酒が好きな父には、今人気の焼酎「赤霧島」を大量に送りましたし、母には姉に選んでもらってピアスを贈りました。
 自分は、岐阜工業高校時代に化学技術科にいましたが、そのときもクラスメイトが勉強の面でいろいろサポートしてくれたし、これまでを振り返ると、たくさんの人に助けられて生きてきたと思うので、そういう感謝の気持ちは忘れないようにしたい。両親に初月給でプレゼントしたのも、そういう思いからでした。


――新鮮な出会いに満ちた研修期間


足立  研修では、朝早く起きて満員電車に揺られる毎日だったので大変でした。自分の体が大きいので、座席が空いても、周りの迷惑にならないように隅っこにずっと立って、気を遣っていました(笑)。研修の内容は、何も知識がなくわからないまま受けた状態でしたが、わからないなりに自分で考え、周りの知識を持った同期から助けられました。でも、今振り返ると面白かったですし、自分のためにもなる研修でしたね。

亀山  僕は内容的にわからないことがなかったので(笑)、研修が楽しかったです。ここでもやっていけるな、と手応えを感じました。なかでも、友だちができたことが大きかったですね。
 我孫子事業所に配属された今はなかなか会う機会がないのですが、研修に際して「友だち100人作る!」と言って、実際には100人には到達しませんでしたが(笑)、仲の良い友だちができたことが大きな収穫でした。
 特に、大学の4年間は、ほぼラグビー部の仲間といっしょでしたから、ラグビー以外の人たちと初めて密に関わることができたのは楽しかったですね。本当に中学生以来のことでしたから。もちろん、ラグビーはルールが難しいという話もたくさん出たのですが、関わる人たちがみんな「試合を見に行くよ」とか「後援会に入ったよ」と言ってくれました。だから、そういう友だちが試合を見に来てくれたときに、自分が出て面白いラグビーを見せることができれば、と今は考えていますし、そういう意味で試合に出たいというモチベーションが高まりましたね。

横山  僕は、高校でも大学でも周囲に体育会系の人間が多かったので、研修では、勉強をしっかりとやってきた人たちの知識の豊富さに驚きました。勉強しなければ話についていけないと思いました。
 ですから、今はTOEICでいい点数を取れるように英語を勉強しています。まあ、TOEIC受験用の参考書を買ったら出てくる単語が難し過ぎて、まず単語の勉強から……と思って単語の参考書を買ったらそれもまた難し過ぎて、そのもう一段階前の参考書を買って……という段階ですが(笑)。勉強することで、外国人コーチや選手の話がきちんとわかることが目標です。そのためにも750点を目標にしているのですが、今の到達点はまだ半分ぐらいですね(笑)。

中嶋  研修で一番辛かったのは、朝から晩までじっと椅子に座り続けていなければならないことでした。もちろん、朝早く起きることも、満員電車に揺られることも、みんなと同じように大変でしたが、それ以上にじっと座っているのが本当に大変でした。普段の生活が、今までは、部屋でベッドに入って寝ているか、起きて外に出て動き回るかの、どちらかでしたから(笑)
 しかも、研修では座っている間、講師の先生方をはじめ、みなさんの話をずっと聞いていなければならない。それがキツかったです。むしろ、自分から動いたり発言ができるグループワークのときが、救いでしたね。

後編に続く~
 

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