NECは「根性がある」チーム ~グリーンロケッツ新入部員対談 櫻井朋広×パク・ソング(朴誠球)~

info_category3.gif2010/05/17




                     ▲パク・ソング選手(左)・櫻井朋広選手(右)

 今春NECグリーンロケッツに3名の新戦力が加わった。
 1人はSH櫻井朋広(早稲田大学出身 22歳)選手。昨シーズン、グリーンロケッツ出身の辻高志コーチ(現・早稲田大学ラグビー部監督)に鍛え上げられた愛弟子だ。
 残る2人は、韓国代表として5キャップを持ち、昨シーズンまでヤマハ発動機ジュビロでプレーしていたPR/HOパク・ソング(26歳)と、スーパー14のオタゴハイランダーズやオークランドブルーズで活躍しニュージーランド代表にも選ばれた(6キャップ)CTB/WTBアンソニー・ツイタヴァキ選手(28歳)。
 初々しいルーキーと百戦錬磨の即戦力──そんなコントラストが今季のグリーンロケッツにどんなケミストリーをもたらすか。我孫子合宿で汗を流す櫻井選手とパク選手を直撃した(ツイタヴァキ選手は6月来日予定のため、後日紹介します)。

■ NECグリーンロケッツに惹かれた理由

 
櫻井 NECというチームで強く印象に残っているのは、高校(桐蔭学園)時代にテレビで見た東芝との雨のなかでの決勝戦です(05年度第43回日本選手権 6─6で両チーム優勝)。すごくしぶといディフェンスに感動しました。それから、昨年早稲田のコーチをしていた辻高志さんが「NECは最高だから」と、強く勧めてくれたことも大きかったですね。辻さんの言うことなら間違いないと思って決めました。
 泥臭く身体を張るラグビーがNECのイメージですが、権丈(太郎)さんや臼井(陽亮)さん、(首藤)甲子郎さんといった大学の先輩たちからも、「ラグビーを思いきりやれる環境だから」と言われました。僕は首藤さんと同じ中学なのですが、その頃からずっと尊敬していて高校、大学と後を追いかけてきました。そういう尊敬できる先輩がいるところもNECに惹かれた理由です。


■ グリーンロケッツの印象
パク
: スクラムが強いという印象でした。だから、そういう強いメンバーといっしょにスクラムを組みたいし、いっしょに試合をしたい気持ちが今は強いです。個人的には、PRはスクラムが一番大事な仕事だと思うのですが、対戦していたときからドミさん(久富雄一選手)は日本で一番スクラムが強い選手だと尊敬していました。
 それからNECは「根性がある」チームです。昨シーズンの最終戦で私はヤマハのリザーブとしてNECと対戦したのですが、試合が始まるまでヤマハの方が上だと考えていた。でも、実際に試合が始まると、タッチラインから見ていても「ああ、NECは強い」とわかりました。プレーの面でもメンタル面でも、簡単に諦めない強さを感じました。
 実際にNECに入ってみると……やっぱり練習はキツイですね(笑)。ただ、スクラムの練習では、試合でのイメージを大切にして個人個人で時間をかけて技術を磨き、それをチームのスクラムにレベルアップしていく。その辺のやり方がとても新鮮でした。
櫻井 : 昨シーズンはテレビでNECの試合を見ていたのですが、ニリ(・ラトゥ)さんの迷わずまっすぐに突進するプレーぶりがすごく印象に残りました。
パク : ニリさんとはときどきご飯を食べたりしますが、オフのときも練習のときも、すごくいいリーダーシップを発揮してくれる。一つひとつのスピーチが、たとえ言葉が短くても、みんなの胸から「ラグビーをやろう」という気持ちを引き出してくれる。トンガ代表のキャプテンだったのも当然だなと思いました。本当にいいリーダーですね。


■ 目指すプレーヤー像

櫻井 : まだ自分には技術がないので、気持ちだけは負けないようにしようと思っています。ラグビーに対する姿勢からチームに貢献できればいいですね。とにかく最大限の努力をして、技術でもチームの水準に追いつけるようにしたい。
 NECはFWが強いし、体格もコンタクトの強さも大学生とは全然違う。SHとして安心感があります。接点が強いからラックのときでも地面に置かれたボールがきれいに見えるし、その分ボールをさばきやすいですね。もちろん相手のFWも大きいから、自分が厳しい状況に立たされる場面もあると思います。でも、学生時代に辻さんがそういう厳しい状況でもボールをさばく練習を考えてくれたので、それを支えにやっていきたいです。

 
パク : 僕は、まずスクラムを安定させて、後ろのバックスにいいボールを渡したい。個人的には1番がベストのポジションなんですが、韓国代表でもフロントローの全ポジションを経験しているので、2番でも3番でもチームに貢献できる自信があります。ラインアウトのスローイングだけは、まだ練習中ですが(笑)。
 コンタクトに関してはチームがまだ100%の強さで練習をしていませんが、スキル練習でもNECはみんなが集中して取り組んでいる。これからもいい練習ができると思います。
 私は日本に来てから2年間ヤマハでラグビーをしましたが、これからNECでやるラグビーはそれとはまったく違うものだと思っています。だから、シーズンが始まるまでにNECのラグビーを100%理解してしっかり準備をしたい。今は全部を理解して開幕戦から先発で出られるように頑張っていますが、自分自身のなかでまだきちんと理解できていないと思えばリザーブでもかまわない。自分の問題として、どこまでNECのラグビーを理解できるか。頭でも身体でもNECのラグビーを理解することが、宿題ですね。
櫻井 : 試合に出るということはチームを代表することです。だから、そう簡単に自分がチームを代表するレベルに到達できるとは思いませんが、とにかく今自分に出来ることを全力でやることが、チームにとっても自分にとっても一番いいことだと思います。その結果として試合に出られればいい。とにかく今は、そのために一日一日を大切にしていきたいですね。周りとの競争に気を取られてしまうと、自分が苦しくなるように思いますから。


■ ここに注目してください!

櫻井 : 身体は小さいですけど、タックルに注目してください。
──“辻2世”みたいな感じですか?
櫻井 : 辻さんは尊敬するプレーヤーですけど、マネするだけでは辻さんに叶わない。目標にしながらも、自分の持ち味であるスピードを生かすプレーや、ポイントに早く行くことを心がけたい。どれもSHとして当たり前のプレーですが、当たり前のことを人よりもできるように努力していきたいですね。
パク : スクラムはもちろん自分の得意なプレーですが、それよりも1番から3番まで全部できることをアピールしていきたいし、注目して欲しい。本当はボールを持って走るプレーが得意で、自分のスキルを見せることができるから好きなんですが、フロントローは80分で1回か2回しか持てないときもある(笑)。でも、そういうときに自分の100%を出せるように練習をしています。自分勝手ではなく、勝つためにいいボールを出せるようにプレーしたいです。


■ サポーターへのメッセージ
パク
: 今年からNECのスクラムは今まで以上に安定します。特に僕が出たときはいいスクラムになるので、期待してください。応援、よろしくお願いします。
櫻井 : チームで一番身体は小さいですけど、ラグビーに対するひたむきな姿勢が感じられるようなプレーを心がけようと思っています。ですから、そういうところをファンの皆様にも感じ取っていただけるように頑張ります。
──ありがとうございました。



■ プロフィール ■

【櫻井 朋広(さくらい ともひろ)】
生年月日・年齢 1987年6月18日・22歳  
身長・体重 165cm・68kg
ポジション スクラムハーフ
出身 早稲田大学(桐蔭学園高校)
主な経歴 19歳以下日本代表
     

【朴 誠球(パク ソング)】
生年月日・年齢 1983年7月22日・26歳  
身長・体重 180cm・110kg
ポジション フッカー、プロップ
出身 延世大学(ソウル大師範大付属高校)
2008年~ ヤマハ発動機ジュビロ
主な経歴 韓国代表(cap 5)

(取材:永田 洋光)